01
ジャムを瓶から直食いする文豪
夏目漱石は、とにかく甘いものが異常に好きでした。中でもお気に入りだったのが「イチゴジャム」です。
パンに塗るなどという生ぬるい食べ方ではなく、瓶の蓋を開けて、スプーンでそのままジャムをすくい、舐め続けるのが彼の日課でした。あまりの消費スピードに妻の鏡子がジャムを隠すと、「誰だ、俺のジャムを盗んだのは!」と家の中で大激怒したというエピソードが残っています。さらに、砂糖をたっぷり溶かした水をがぶ飲みするなど、当時の基準でも度を越した糖分狂でした。

なつめそうせき
夏目漱石
01
夏目漱石は、とにかく甘いものが異常に好きでした。中でもお気に入りだったのが「イチゴジャム」です。
パンに塗るなどという生ぬるい食べ方ではなく、瓶の蓋を開けて、スプーンでそのままジャムをすくい、舐め続けるのが彼の日課でした。あまりの消費スピードに妻の鏡子がジャムを隠すと、「誰だ、俺のジャムを盗んだのは!」と家の中で大激怒したというエピソードが残っています。さらに、砂糖をたっぷり溶かした水をがぶ飲みするなど、当時の基準でも度を越した糖分狂でした。
02
この無茶な食生活がたたり、漱石は晩年、重度の胃潰瘍に苦しみます。有名な「修善寺の大患」では、胃からの大出血で一時危篤状態に陥りました。
しかし、生死の境をさまよい、医者から食事を厳しく制限されている状況でも、彼の頭の中は甘いものでいっぱいでした。「アイスクリームが食べたい」「お菓子が食べたい」と病床から家族に懇願し、医者に止められて子供のようにすねたと言われています。自制心ゼロの愛すべきスイーツ男子です。
03
代表作『吾輩は猫である』は、夏目家に迷い込んできた黒猫がモデルです。小説の冒頭で「名前はまだ無い」と書かれていますが、実は現実の猫も、死ぬまで一切名前をつけてもらえませんでした。
漱石はこの猫を可愛がってはいましたが、「猫」としか呼んでいませんでした。のちにこの猫が死んでしまった際、漱石はわざわざ黒枠の死亡通知(喪中ハガキのようなもの)を知人たちに送りつけ、「我が家の猫が亡くなりました」と真面目に報告しています。変人でありながら情に厚い、漱石らしいエピソードです。
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