夏目漱石

なつめそうせき

夏目漱石

夏目漱石|『吾輩は猫である』『こころ』を残した近代文学の巨星。気難しいインテリのイメージだが、彼を一番苦しめたのは人間関係ではなく「砂糖への異常な執着」だった。

基本情報

名前
夏目漱石
読み
なつめそうせき
生没年
1867年〜1916年
時代
明治時代〜大正時代
立場・肩書
小説家、英文学者
主なゆかりの地
東京、松山、ロンドン、修善寺
代表的な出来事
『吾輩は猫である』『こころ』執筆、修善寺の大患
関連人物
正岡子規、夏目鏡子、森鴎外

01

ジャムを瓶から直食いする文豪

夏目漱石は、とにかく甘いものが異常に好きでした。中でもお気に入りだったのが「イチゴジャム」です。

パンに塗るなどという生ぬるい食べ方ではなく、瓶の蓋を開けて、スプーンでそのままジャムをすくい、舐め続けるのが彼の日課でした。あまりの消費スピードに妻の鏡子がジャムを隠すと、「誰だ、俺のジャムを盗んだのは!」と家の中で大激怒したというエピソードが残っています。さらに、砂糖をたっぷり溶かした水をがぶ飲みするなど、当時の基準でも度を越した糖分狂でした。

ジャムを瓶から直食いする文豪
胃潰瘍で血を吐いても「アイスが食べたい」

02

胃潰瘍で血を吐いても「アイスが食べたい」

この無茶な食生活がたたり、漱石は晩年、重度の胃潰瘍に苦しみます。有名な「修善寺の大患」では、胃からの大出血で一時危篤状態に陥りました。

しかし、生死の境をさまよい、医者から食事を厳しく制限されている状況でも、彼の頭の中は甘いものでいっぱいでした。「アイスクリームが食べたい」「お菓子が食べたい」と病床から家族に懇願し、医者に止められて子供のようにすねたと言われています。自制心ゼロの愛すべきスイーツ男子です。

03

「吾輩は猫である」の猫には名前がなかった

代表作『吾輩は猫である』は、夏目家に迷い込んできた黒猫がモデルです。小説の冒頭で「名前はまだ無い」と書かれていますが、実は現実の猫も、死ぬまで一切名前をつけてもらえませんでした。

漱石はこの猫を可愛がってはいましたが、「猫」としか呼んでいませんでした。のちにこの猫が死んでしまった際、漱石はわざわざ黒枠の死亡通知(喪中ハガキのようなもの)を知人たちに送りつけ、「我が家の猫が亡くなりました」と真面目に報告しています。変人でありながら情に厚い、漱石らしいエピソードです。

「吾輩は猫である」の猫には名前がなかった

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