座敷童子

ざしきわらし

座敷童子

座敷童子|福の神なのに、泊まり客の布団を押す

基本情報

名称
座敷童子(ざしきわらし)
読み
ざしきわらし
分類
妖怪
主な伝承地
岩手県を中心とする東北地方
出現場所
岩手県を中心とする東北地方
特徴
家に棲み、いる間は家が栄えると伝えられる
主な伝承・資料
今も「座敷童子が現れる」といわれる宿が岩手にある

01

今も「座敷童子が現れる」といわれる宿が岩手にある

座敷童子は昔話の中だけの存在——と思いきや、岩手県には今もその伝説を掲げる宿があります。

座敷わらしの宿 緑風荘。所在地は〒028-5711 岩手県二戸市金田一字長川41です。

緑風荘の公式サイトによると、奥座敷の「槐(えんじゅ)の間」は、座敷わらし「亀麿くん」が現れたといわれる場所です。宿には現在も、不思議な体験をした宿泊者からエピソードが寄せられています。

緑風荘に伝わる話では、南北朝時代に先祖一行が北へ逃れる途中、6歳の亀麿が病で亡くなり、その後、家を守る座敷わらしとして現れるようになったとされています。

2009年には火災で宿が全焼しましたが、再建を経て2016年に営業を再開しました。

もちろん「本当に座敷童子がいる」と確認されたわけではありません。それでも、伝承が今も宿と人の体験談の中で生き続けていること自体が興味深いところです。

岩手の温泉宿をイメージした夕暮れの外観

02

座敷童子が去ると、その家は衰える?

座敷童子には、ちょっと怖いルールがあります。

岩手県などの伝承では、座敷童子がいる家は栄え、いなくなると家が衰えると語られてきました。国際日本文化研究センターのデータベースにも、座敷童子がいなくなると家計が下向きになる話や、家が倒産するという遠野の伝承が収録されています。

ただし、これは「座敷童子が家を呪って没落させる」という意味ではありません。

伝承が語っているのは、家の繁栄と座敷童子の存在が結びつけられていた、ということです。去った後に不幸が起きる話が残っていても、座敷童子が原因だと証明されたわけではありません。

いると福の神。いなくなると急に心細い。座敷童子は、幸福そのものより「幸福が家に居ついている」という感覚を姿にした妖怪なのかもしれません。

家を離れていく座敷童子を思わせる子どもの後ろ姿

03

福の神なのに、泊まり客の布団を押したりする

幸運を運ぶ存在なら、静かに座って福だけ置いていってほしいところです。

ところが座敷童子の伝承には、寝ている人へのいたずらがあります。宮城県史に収められた説明では、座敷童子のいる座敷に寝ると、枕を返されたり、上から押さえられたりすることがあるとされています。

それでも、その存在は人を害するものとはされていません。

夜中に寝具が動いたら普通はかなり怖い。それなのに「座敷童子なら縁起がいい」となる。

怖がるべきなのか、喜ぶべきなのか分からない。その妙な距離感こそ、座敷童子が単なる怖い妖怪とは違うところです。

宿泊客の布団をいたずらっぽく引っ張る座敷童子

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