さがり

みつ

さがり

さがり|木からドサッ! 生首が落ちてくる「さがり」の恐怖

基本情報

名称
さがり
読み
みつ
分類
妖怪
主な伝承地
日本(熊本県や岡山県など)に伝わる妖怪
出現場所
主に西日本(熊本県や岡山県など)に伝わる妖怪
特徴
主に西日本(熊本県や岡山県など)に伝わる妖怪。榎(エノキ)などの古い木に「馬の首」がぶら下がっており、人が通ると落ちてくる、あるいはいななくとされる。遭遇すると原因不明の熱病にかかると恐れられた。
主な伝承・資料
鳥山石燕『画図百鬼夜行』、村上健司『妖怪事典』(毎日新聞社)

01

木からぶら下がる「馬の生首」

夜の暗い田舎道を歩いていると、道の脇に立つ大きな榎(エノキ)の木の枝から、何かが「ドサッ」とぶら下がってきます。

見上げると、それはなんと「巨大な馬の生首(または馬の頭部)」なのです。これが妖怪「さがり」です。鳥山石燕の絵では、木の枝から馬の首だけがニョキッと垂れ下がり、目をひん剥いて不気味にこちらを見下ろしている様子が描かれています。

木からぶら下がる「馬の生首」

02

遭遇すると「高熱で寝込む」

さがりは、人間を噛み殺したりする物理的な攻撃はしません。しかし、暗闇で突然「ヒヒーン!」といななきながら馬の首が落ちてきたら、恐怖で腰を抜かしてしまいます。

伝承によると、この「さがり」を見てしまった人間は、恐怖のあまり「原因不明の高熱(熱病)」を出して何日も寝込んでしまうとされています。実体のある怪物というよりは、ショック症状を引き起こす「呪いの視覚的ギミック」のような妖怪です。

遭遇すると「高熱で寝込む」

03

捨てられた「病馬」の怨念説

なぜ「木から馬の首が下がる」という奇妙な妖怪が生まれたのでしょうか。

昔は農耕馬が病気になったり年老いて使えなくなったりすると、山に捨ててしまう(あるいは木の枝に繋いでそのまま餓死させる)という残酷な風習があった地域がありました。そのようにして苦しみながら死んでいった馬たちの怨念が、夜の木の下を通る人間に「馬の首」として復讐(あるいはアピール)しているのではないかと推測されています。人間の罪悪感が生み出した、悲しい怪異です。

捨てられた「病馬」の怨念説

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