泥田坊

どろたぼう

泥田坊

泥田坊|「田を返せ!」泥田坊の悲しすぎる不動産トラブル

基本情報

名称
泥田坊
読み
どろたぼう
分類
日本の妖怪
主な伝承地
鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に描かれている妖怪
出現場所
泥田
特徴
鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に描かれている妖怪。一つ目で手の指が3本しかない老人の姿をしており、泥田の中から上半身だけを現し「田を返せ」と叫ぶ。
主な伝承・資料
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』/多田克己『百鬼解読』(講談社文庫)

01

息子への怒りが生んだ妖怪

泥田坊(どろたぼう)のバックボーンは、他の妖怪とは少し異なり、非常に人間臭く現実的です。

むかし、雪深い北国に働き者の老人がおり、荒れ地を一生懸命に開墾して立派な田んぼを作り上げ、息子に残して亡くなりました。しかし、その息子は大変な怠け者で、酒や遊びにお金を使ってしまい、ついには父が残した大切な田んぼを他人に売り飛ばしてしまったのです。

息子への怒りが生んだ妖怪

02

買った人にはいい迷惑?

この息子の放蕩ぶりに、あの世の父親は激怒しました。

夜な夜な泥田の中から、一つ目の恐ろしい姿をした泥田坊として現れ、「田を返せー!田を返せー!」と叫ぶようになったのです。しかし、妖怪が現れて脅かす相手はバカ息子ではなく、その田んぼを正当なルートでお金を出して買った「現在の持ち主(他人)」でした。新しい持ち主からすれば、お金を払って買ったのに前オーナーの幽霊に夜な夜な抗議されるという、とんだ事故物件を掴まされた形になります。

買った人にはいい迷惑?

03

江戸時代の「農地問題」の風刺

この泥田坊も鳥山石燕の創作妖怪ですが、当時の江戸時代の世相を鋭く風刺しています。

当時は貨幣経済が農村にも浸透し、農民の貧富の差が拡大していました。土地を担保にお金を借り、結局手放して小作人に転落する農家が後を絶たなかったのです。「先祖代々の土地を失うことへの恐怖」と、「遊興にふける若者への批判」が、泥田坊という社会派妖怪を生み出した背景にあります。

江戸時代の「農地問題」の風刺

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