毛羽毛現

けうけげん

毛羽毛現

毛羽毛現|家の床下に汚いモップが? 毛羽毛現の「バイオハザード」

基本情報

名称
毛羽毛現
読み
けうけげん
分類
妖怪
主な伝承地
日本の妖怪
出現場所
日本の妖怪
特徴
鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に描かれた妖怪。全身が長い毛で覆われた姿をしている。湿気のある家の床下などに住み着き、住人を病気(風邪や皮膚病など)にさせるとされる。名前は「希有希見(けうけげん=滅多に見られないもの)」の言葉遊び。
主な伝承・資料
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』、多田克己『百鬼解読』(講談社文庫)

01

床下を這い回る「黒いモップ」

掃除をサボってジメジメと湿気のこもった家の床下や、日が当たらない裏庭。そんな暗がりを、まるで「泥だらけの黒いモップ」のような生き物がモゾモゾと這い回っています。

これが「毛羽毛現(けうけげん)」です。鳥山石燕の絵では、全身がフサフサの長い毛で覆われており、目や口の正確な位置もわからないほどモコモコの塊として描かれています。一見すると少し可愛らしい犬のようにも見えますが、その性質は極めて厄介です。

床下を這い回る「黒いモップ」

02

家族を病気にする「不衛生の権化」

毛羽毛現が家に住み着くと、どうなるのか。彼らは直接人を噛んだり脅かしたりはしませんが、家中に「カビ」や「湿気」を撒き散らします。

その結果、住んでいる家族が次々と原因不明の風邪をひいたり、皮膚病にかかったりして、家全体が不健康になってしまいます。つまり毛羽毛現は、掃除や換気を怠ったことによる「不衛生な環境と病気(バイオハザード)」を、そのまま妖怪として擬人化した存在なのです。

家族を病気にする「不衛生の権化」

03

石燕のアイロニー「滅多に見られないもの」

この妖怪の名前「けうけげん」は、鳥山石燕の高度な言葉遊び(ダジャレ)です。

「希有希見(けうけげん)」とは、「滅多にないこと、めずらしいこと」を意味する言葉です。毛むくじゃらで不衛生な化け物に、あえて「珍しくてありがたい」という意味の言葉の音を当てはめることで、石燕は「こんな汚い化け物、滅多にお目にかかりたくないよね」という皮肉(アイロニー)を込めたのだと解釈されています。換気と掃除の重要性を教えてくれる、実用的な教訓妖怪です。

石燕のアイロニー「滅多に見られないもの」

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