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釜を被った不思議なビジュアル
鳥山石燕が描いた「鳴釜(なるかま)」は、頭にすっぽりと鉄の羽釜を被り、両手を広げて踊っているような、ユーモラスで奇妙な姿をしています。
古い釜が化けた「付喪神(つくもがみ)」の一種ですが、この妖怪には、単なる道具の化け物にとどまらない、古代の生々しい鬼退治の歴史が深く関係しています。


なるかま
鳴釜
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鳥山石燕が描いた「鳴釜(なるかま)」は、頭にすっぽりと鉄の羽釜を被り、両手を広げて踊っているような、ユーモラスで奇妙な姿をしています。
古い釜が化けた「付喪神(つくもがみ)」の一種ですが、この妖怪には、単なる道具の化け物にとどまらない、古代の生々しい鬼退治の歴史が深く関係しています。

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この妖怪のルーツとなったのが、岡山県の吉備津神社に今も伝わる「鳴釜神事」です。
神話の時代、桃太郎のモデルとされる吉備津彦命(きびつひこのみこと)は、この地で暴れていた鬼の首領「温羅(うら)」を討伐しました。しかし、討ち取った温羅の首を地面に埋めても、首は何年も唸り声を上げ続け、人々を怖がらせました。困り果てた吉備津彦命の夢枕に温羅が現れ、「私の妻に神饌(ご飯)を炊かせ、釜の下に私の首を埋めなさい。そうすれば、私は吉凶を知らせる神になりましょう」と告げたのです。

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お告げに従って釜の下に首を埋めて米を蒸したところ、不思議な現象が起きました。
神様への願い事が叶う(良いことが起きる)時は、釜が「ボオオオオ」と牛の鳴き声のように力強く豊かに鳴り響き、願いが叶わない(悪いことが起きる)時は、火を燃やしても釜がピタリと沈黙して鳴らないのです。退治された鬼の怨念を、釜の音による「占いシステム」として鎮魂し活用した古代の知恵。鳴釜は、恐ろしい鬼の首と人々の祈りが合体して生まれた、非常にミステリアスな妖怪なのです。

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