垢舐め

あかなめ

垢舐め

垢舐め|風呂掃除をサボると来るぞ! 垢舐めと江戸のしつけ

基本情報

名称
垢舐め
読み
あかなめ
分類
日本の妖怪
主な伝承地
鳥山石燕の『画図百鬼夜行』などに描かれている妖怪
出現場所
風呂場
特徴
鳥山石燕の『画図百鬼夜行』などに描かれている妖怪。人が寝静まった夜中、掃除を怠った風呂場に現れ、長い舌で風呂桶や床の湯垢を舐めるとされる。
主な伝承・資料
鳥山石燕『画図百鬼夜行』/多田克己『幻想世界の住人たち IV 日本編』(新紀元社)

01

実害はないが、とにかく気持ち悪い

垢舐め(あかなめ)は、人を取って食ったり、呪い殺したりするような妖怪ではありません。夜中にこっそり風呂場に入り込み、ペロペロと汚れを舐めるだけです。

しかし、風呂場というプライベートな空間に、気味の悪い姿のバケモノがやってきて、自分の落とした垢を舐めているというシチュエーションは、想像するだけで生理的な嫌悪感を強く掻き立てます。

実害はないが、とにかく気持ち悪い

02

鳥山石燕が生み出した「教育ツール」

実はこの垢舐めも、江戸時代の妖怪絵師・鳥山石燕が創作した妖怪である可能性が高いとされています。

石燕がなぜこんな妖怪を描いたのか。それは「風呂場を汚くしておくと、こんな気味の悪いバケモノが来るぞ」と子供たちを脅し、風呂掃除を習慣づけるための「しつけ(教育的指導)」のためでした。現代の親が「早く寝ないとオバケが来るよ」と言うのと同じメンタリティで生み出されたのです。

鳥山石燕が生み出した「教育ツール」

03

病気への無意識の防衛本能

また、垢舐めが生まれた背景には、当時の衛生環境への危機感もありました。

湿気の多い風呂場を不潔にしておけば、カビや細菌が繁殖し、病気の原因になります。「得体の知れない病(感染症)」に対する無意識の恐怖が、「汚れを舐める妖怪」という具体的なビジュアルに変換されたとも言えます。垢舐めは、日本の衛生観念の高さを裏付けるユニークな妖怪なのです。

病気への無意識の防衛本能

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