01
実害はないが、とにかく気持ち悪い
垢舐め(あかなめ)は、人を取って食ったり、呪い殺したりするような妖怪ではありません。夜中にこっそり風呂場に入り込み、ペロペロと汚れを舐めるだけです。
しかし、風呂場というプライベートな空間に、気味の悪い姿のバケモノがやってきて、自分の落とした垢を舐めているというシチュエーションは、想像するだけで生理的な嫌悪感を強く掻き立てます。


あかなめ
垢舐め
01
垢舐め(あかなめ)は、人を取って食ったり、呪い殺したりするような妖怪ではありません。夜中にこっそり風呂場に入り込み、ペロペロと汚れを舐めるだけです。
しかし、風呂場というプライベートな空間に、気味の悪い姿のバケモノがやってきて、自分の落とした垢を舐めているというシチュエーションは、想像するだけで生理的な嫌悪感を強く掻き立てます。

02
実はこの垢舐めも、江戸時代の妖怪絵師・鳥山石燕が創作した妖怪である可能性が高いとされています。
石燕がなぜこんな妖怪を描いたのか。それは「風呂場を汚くしておくと、こんな気味の悪いバケモノが来るぞ」と子供たちを脅し、風呂掃除を習慣づけるための「しつけ(教育的指導)」のためでした。現代の親が「早く寝ないとオバケが来るよ」と言うのと同じメンタリティで生み出されたのです。

03
また、垢舐めが生まれた背景には、当時の衛生環境への危機感もありました。
湿気の多い風呂場を不潔にしておけば、カビや細菌が繁殖し、病気の原因になります。「得体の知れない病(感染症)」に対する無意識の恐怖が、「汚れを舐める妖怪」という具体的なビジュアルに変換されたとも言えます。垢舐めは、日本の衛生観念の高さを裏付けるユニークな妖怪なのです。

SAME CATALOG