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巨大な壁ではなく「見えない壁」
アニメなどで描かれる塗り壁は、手足の生えた巨大なコンクリートの壁のような姿をしていますが、本来の民間伝承には「姿」はありません。
夜の海岸などを歩いていると、突然目の前に「目に見えないドロドロの壁」のようなものが立ちはだかり、左右に避けようとしても果てしなく壁が続いていて前に進めなくなる、という「現象」そのものを指す妖怪でした。


ぬりかべ
塗り壁
01
アニメなどで描かれる塗り壁は、手足の生えた巨大なコンクリートの壁のような姿をしていますが、本来の民間伝承には「姿」はありません。
夜の海岸などを歩いていると、突然目の前に「目に見えないドロドロの壁」のようなものが立ちはだかり、左右に避けようとしても果てしなく壁が続いていて前に進めなくなる、という「現象」そのものを指す妖怪でした。

02
この見えない壁に遭遇した時の、昔から伝わるシンプルな撃退法があります。
それは「持っている杖や棒で、足元の地面(壁の下の方)を横にサッと払うこと」です。上の方を叩いても全く手応えがありませんが、下の方を払うと、壁はスッと消えてなくなると言われています。一説には、これは道端のタヌキやムジナが股を開いて立っており、その金玉が巨大に膨らんで壁のように道を塞いでいるからだ(だから下を叩くと痛がって逃げる)という、身も蓋もない説も存在します。

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塗り壁を全国区のメジャー妖怪に押し上げた漫画家・水木しげるは、第二次世界大戦中、出征先のパプアニューギニアのジャングルで、なんとこの塗り壁に遭遇したと語っています。
敵から逃げて夜のジャングルを彷徨っている時、突然目の前にコールタールのような見えない壁が現れて進めなくなり、数十分間その場で立ち往生したそうです。極限の疲労やストレスが生み出す感覚の麻痺なのか、それとも本当に妖怪なのか。福岡のローカル伝承と、南方のジャングルでの実体験がリンクした不思議なエピソードです。

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