油すまし

あぶらすまし

油すまし

油すまし|アニメで大出世! 油すましの「たった一つの伝承」

基本情報

名称
油すまし
読み
あぶらすまし
分類
妖怪
主な伝承地
熊本県天草地方に伝わる妖怪
出現場所
熊本県天草地方に伝わる妖怪
特徴
熊本県天草地方に伝わる妖怪。峠を越える際「昔ここに油すましが出た」と話すと、「今もいるぞ」と声をかけて現れるとされる。水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』で主要キャラクターとして登場し、有名になった。
主な伝承・資料
柳田国男『妖怪談義』(講談社学術文庫)、水木しげる『水木しげるの妖怪事典』(東京堂出版)

01

「今もいるぞ」と声をかけるだけの妖怪

熊本県の天草(草積越という峠)を、お婆さんと孫が歩いていました。お婆さんが「昔、このあたりには油すましという妖怪が出たそうだよ」と語りかけると、頭上から突然「今もいるぞ!」と声がし、ガサガサと姿を現したといいます。

伝承に残る油すまし(あぶらすまし)の行動は、実はこれだけです。人を食ったり、襲ったりするわけではなく、自分の噂話に反応して「まだいるよ」と自己主張をしてくるだけの、少しユーモラスで無害な妖怪です。

「今もいるぞ」と声をかけるだけの妖怪

02

貴重な「油」を盗んだ者のなれの果て

なぜ「油すまし」という名前なのでしょうか(※「すます」は油を絞るという意味)。

昔、この地方で菜種油を盗んだ者(あるいは油を搾って隠し持っていた者)がおり、その罪の報いによって妖怪になった、という推測が語り継がれています。昔は油が非常に高価で貴重な生活必需品であったため、油を粗末にしたり盗んだりすることへの戒めが、妖怪伝説として定着したと考えられます。

貴重な「油」を盗んだ者のなれの果て

03

水木しげるによる究極のキャラクター化

伝承がたった一つしかない超マイナー妖怪だった油すましが、日本で最も有名な妖怪の一角に登り詰めたのは、水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』の功績です。

「大きなジャガイモのような頭に蓑(みの)を被り、冷静沈着な将棋好きの長老」というキャラクター設定とビジュアルを与えられたことで、彼は強烈な個性を獲得しました。地方の小さな怪異が、現代のクリエイターの手によって国民的キャラクターへと「大出世」を果たした奇跡の妖怪です。

水木しげるによる究極のキャラクター化

SAME CATALOG

同じ図鑑のほかの記事