口裂け女

くちさけおんな

口裂け女

口裂け女|「私、きれい?」 1979年・口裂け女パニックの真実

基本情報

名称
口裂け女
読み
くちさけおんな
分類
妖怪
主な伝承地
日本全国の小中学生の間で爆発的に流行した都市伝説(現代妖怪)
出現場所
日本全国の小中学生の間で爆発的に流行した都市伝説(現代妖怪)
特徴
1979年(昭和54年)の春から夏にかけて、日本全国の小中学生の間で爆発的に流行した都市伝説(現代妖怪)。大きなマスクをした若い女性が「私、きれい?」と尋ね、マスクを外して耳まで裂けた口を見せて襲ってくるというもの。
主な伝承・資料
山口敏太郎『現代妖怪図鑑』(スタジオ・エクス)、現代民俗学の各種論文(都市伝説の伝播について)

01

100メートルを3秒で走る怪人

夕暮れの下校中、赤いコートを着て大きなマスクをした女性が声をかけてきます。「私、きれい?」。「きれい」と答えると、「これでも?」とマスクを外し、耳までパックリと裂けた恐ろしい口を見せて襲いかかってきます。

これが「口裂け女」です。彼女は「100メートルを3秒(または6秒)で走る」というオリンピック選手も真っ青の身体能力を持っており、走って逃げ切ることは絶対に不可能だとされていました。

100メートルを3秒で走る怪人

02

べっこう飴と「ポマード」の防衛術

逃げられないなら、どうやって身を守るのか。当時の子供たちの間では、謎の防衛術(サバイバル戦術)がセットで語り継がれました。

「べっこう飴(または黒飴)を投げると、彼女がそれを舐めている隙に逃げられる」というものや、「『ポマード! ポマード!』と3回唱えると、彼女が嫌がって怯む」というものです(美容整形手術の失敗で口が裂けた際、医者のポマードの匂いがトラウマになっているという設定)。全国の子供たちがポケットに飴を忍ばせて下校するほどの社会現象になりました。

べっこう飴と「ポマード」の防衛術

03

塾と電話が生んだ「現代の妖怪誕生」

なぜこの噂は、ネットもない時代に一瞬で全国に広まったのでしょうか。

発端は岐阜県だと言われていますが、当時は「学習塾(塾通い)」が一般化し始めた時代でした。違う学校の子供たちが塾で集まり、そこで聞いた怖い話を次の日に自分の学校のクラスメイトに話し、さらに長電話で遠くの親戚に伝える。この「口コミのアナログネットワーク」が、現代の妖怪を猛スピードで増殖させたのです。「妖怪がいかにして生まれるか」をリアルタイムで証明した、民俗学的に極めて重要な事件です。

塾と電話が生んだ「現代の妖怪誕生」

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