雪山に現れる白装束の雪女

ゆきおんな

雪女

雪女|有名な雪女は一人ではない。地域で変わる雪の怪異

基本情報

名称
雪女(ゆきおんな)
読み
ゆきおんな
分類
妖怪
主な伝承地
雪の降る地域・雪道など。伝承によって異なる
出現場所
雪の降る地域・雪道
特徴
人に呼びかける、子を抱かせる、人を脅かすなど伝承ごとに異なる
主な伝承・資料
有名な雪女の舞台は、武蔵国だった

01

有名な雪女の舞台は、武蔵国だった

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談(Kwaidan)』に収められた「雪女」は、武蔵国の村を舞台に始まります。

八雲は同書の序文で、この雪女の話を武蔵国西多摩郡調布の農夫から、その村の伝説として聞いたと記しています。現在よく知られる「白く美しい女性が現れ、若者の命を助け、秘密を守るよう求める」という物語を考えるうえで重要な手掛かりです。

ただし、八雲の作品をそのまま日本各地の雪女伝承の原型とみなすことはできません。各地には異なる姿や振る舞いの雪女が記録されています。

雪深い村に立つ雪女

02

「子どもを抱いて」が、雪の中への入口になる

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースには、雪女に頼まれて子どもを背負うと、その人が雪の中に埋められてしまうという1928年の記録があります。

宮城県栗原市一迫の1976年の事例では、若侍が雪女から赤ん坊を抱くよう頼まれます。女が消えたあとも、氷のように冷たい赤ん坊が腕から離れず、若侍は気を失ったとされています。

「雪女=男を冷たい息で凍らせる美女」だけではありません。子どもを介して人を雪の怪異へ引き込む話も、記録として残っています。

雪の中で赤ん坊を抱く雪女

03

雪女は、一人のキャラクターではない

雪女の伝承は地域によってかなり違います。群馬県の1956年の記録では、雪の晩に白い着物の雪女が来るという話が、寝ない子を戒める言葉として語られています。

新潟県の1939年の記録には、真夜中の雪女の足跡に血が点々とつき、出会った人は殺されると聞かされたという事例があります。

八雲の物語、子を抱かせる雪女、子どもを寝かせるために語られる雪女。名前は同じでも役割は一つではありません。「雪女」という名の下に、雪の土地で語られた複数の怪異が重なっていることが見えてきます。

異なる姿で語られる複数の雪女

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