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伝承が存在しない「完全オリジナルの妖怪」
日本の妖怪の多くは、地方の民間伝承や、得体の知れない自然現象への恐怖から生まれています。しかし「豆腐小僧」には、そうしたバックボーン(伝承)が一切ありません。
彼は、江戸時代後期の出版ブームの中で、黄表紙(コミック)の作家や浮世絵師たちが、キャラクターとして面白おかしく描くためにゼロから生み出した「完全な創作妖怪」なのです。


とうふこぞう
豆腐小僧
01
日本の妖怪の多くは、地方の民間伝承や、得体の知れない自然現象への恐怖から生まれています。しかし「豆腐小僧」には、そうしたバックボーン(伝承)が一切ありません。
彼は、江戸時代後期の出版ブームの中で、黄表紙(コミック)の作家や浮世絵師たちが、キャラクターとして面白おかしく描くためにゼロから生み出した「完全な創作妖怪」なのです。

02
豆腐小僧の最大の特徴は「何もしないこと」です。
お盆に乗せた豆腐を人間にすすめてくることもありますが、食べても毒があるわけではなく、ただ豆腐を持っているだけ。当時のコミックの中では、他の恐ろしい妖怪たちのパシリ(使い走り)にされたり、人間にからかわれたりする、情けなくて可愛いマスコットキャラクターとして描かれました。現代の「ゆるキャラ」の完全な先駆けです。

03
なぜ「豆腐」だったのか。一説には、江戸時代に豆腐料理が大流行した際、豆腐屋などの飲食業界がスポンサーとなり、本の中に自社の商品(豆腐)を宣伝するための「プロダクトプレイスメント」として登場させたのではないか、とも言われています。
妖怪でありながら恐怖の対象ではなく、商業主義とポップカルチャーの中から生まれた、極めて江戸時代らしいモダンな存在なのです。

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