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史料には「名前がない」怪物
頭が猿で、胴体がタヌキで……という、RPGのボスのようにおなじみのキメラ妖怪「鵺(ぬえ)」。しかし、原典である『平家物語』を読んでみると、驚くべき事実が発覚します。
この怪物自体には、名前が一切ついていないのです。書かれているのは「恐ろしい姿をした得体の知れないモノ」ということだけ。では、なぜ私たちはこの怪物を「鵺」と呼んでいるのでしょうか。


ぬえ
鵺
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頭が猿で、胴体がタヌキで……という、RPGのボスのようにおなじみのキメラ妖怪「鵺(ぬえ)」。しかし、原典である『平家物語』を読んでみると、驚くべき事実が発覚します。
この怪物自体には、名前が一切ついていないのです。書かれているのは「恐ろしい姿をした得体の知れないモノ」ということだけ。では、なぜ私たちはこの怪物を「鵺」と呼んでいるのでしょうか。

02
実は「鵺(ぬえ)」というのは、古くから日本にいる実在の鳥「トラツグミ」のことです。
トラツグミは夜になると「ヒー、ヒー」という細く不気味な声で鳴くため、平安時代の人々はその声を非常に不吉なものとして恐れていました。『平家物語』には、怪物が現れる時に「鵺(トラツグミ)のように不気味な声で鳴いた」と書かれています。つまり、「鵺みたいな声で鳴く、名無しの怪物」だったのです。

03
「鵺のように鳴く怪物」という表現が、時代が下るにつれて人々の間で省略され、勘違いされ、いつの間にか「怪物そのものの名前が鵺である」と定着してしまいました。
本来ならただの鳥の名前なのに、800年以上もの間、恐ろしいキメラモンスターの名前として誤用され続けているのです。鵺(トラツグミ)本人からすれば、とんだ風評被害と言えるかもしれません。

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