鵺

ぬえ

鵺

鵺|800年越しの勘違い。バケモノの名前は「鵺」ではない!

基本情報

名称
鵺
読み
ぬえ
分類
日本の妖怪
主な伝承地
日本各地の妖怪伝承・絵画資料
出現場所
記事本文の基本情報に記載された伝承場面
特徴
『平家物語』などに登場する怪物。猿の顔、タヌキの胴体、虎の手足、蛇の尻尾を持ち、黒雲とともに現れて天皇を病に陥れたが、弓の名手・源頼政によって射殺されたとされる。
主な伝承・資料
『平家物語』(剣巻)/多田克己『百鬼解読』(講談社文庫)

01

史料には「名前がない」怪物

頭が猿で、胴体がタヌキで……という、RPGのボスのようにおなじみのキメラ妖怪「鵺(ぬえ)」。しかし、原典である『平家物語』を読んでみると、驚くべき事実が発覚します。

この怪物自体には、名前が一切ついていないのです。書かれているのは「恐ろしい姿をした得体の知れないモノ」ということだけ。では、なぜ私たちはこの怪物を「鵺」と呼んでいるのでしょうか。

史料には「名前がない」怪物

02

「鵺」の正体はただの鳥だった

実は「鵺(ぬえ)」というのは、古くから日本にいる実在の鳥「トラツグミ」のことです。

トラツグミは夜になると「ヒー、ヒー」という細く不気味な声で鳴くため、平安時代の人々はその声を非常に不吉なものとして恐れていました。『平家物語』には、怪物が現れる時に「鵺(トラツグミ)のように不気味な声で鳴いた」と書かれています。つまり、「鵺みたいな声で鳴く、名無しの怪物」だったのです。

「鵺」の正体はただの鳥だった

03

いつしか怪物そのものの名前に

「鵺のように鳴く怪物」という表現が、時代が下るにつれて人々の間で省略され、勘違いされ、いつの間にか「怪物そのものの名前が鵺である」と定着してしまいました。

本来ならただの鳥の名前なのに、800年以上もの間、恐ろしいキメラモンスターの名前として誤用され続けているのです。鵺(トラツグミ)本人からすれば、とんだ風評被害と言えるかもしれません。

いつしか怪物そのものの名前に

SAME CATALOG

同じ図鑑のほかの記事