01
障子の破れ目から「視線」を感じる
お金のない旅人が、宿代を浮かせようと荒れ果てた廃屋に勝手に泊まり込みました。
夜中、ふと寒気を感じて目を覚ますと、部屋を仕切る破れた障子の穴という穴に、無数の「人間の目玉」がびっしりと浮かび上がり、こちらをじーっと見つめていました。瞬きもせず、ただ無言で見つめてくる無数の視線。これが「目目連(もくもくれん)」です。


もくもくれん
目目連
01
お金のない旅人が、宿代を浮かせようと荒れ果てた廃屋に勝手に泊まり込みました。
夜中、ふと寒気を感じて目を覚ますと、部屋を仕切る破れた障子の穴という穴に、無数の「人間の目玉」がびっしりと浮かび上がり、こちらをじーっと見つめていました。瞬きもせず、ただ無言で見つめてくる無数の視線。これが「目目連(もくもくれん)」です。

02
この妖怪は、江戸時代の絵師・鳥山石燕の創作とされていますが、その背景には「囲碁」にまつわる説話があります。
碁打ち(囲碁のプレイヤー)が、盤のマス目(目)をあまりにも凝視し続け、執念を残したまま死んだ結果、障子の格子模様を碁盤と勘違いして無数の目となって現れたのではないか、と言われています。「マス目」と「人間の目」をかけた、江戸の言葉遊び(地口)から生まれた妖怪です。

03
人を襲って食べるわけでもなく、ただ見つめてくるだけの目目連。しかし、ある図太い商人がこれに遭遇した時の昔話が痛快です。
商人は障子一面の目玉を見ても全く怖がらず、「おお、これはいいものを見つけた。目薬の原料として売れるぞ!」と、障子から目玉を一個ずつプチプチとくり抜いて袋に詰め、翌朝町へ売りに出かけて大儲けしたというのです。不気味な怪異すら商売のネタにしてしまう、江戸の人々のたくましさに軍配が上がった瞬間です。

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