姑獲鳥

うぶめ

姑獲鳥

姑獲鳥|渡された赤ん坊の重さ。姑獲鳥(産女)の哀しき正体

基本情報

名称
姑獲鳥
読み
うぶめ
分類
日本の妖怪
主な伝承地
難産のために命を落とした妊婦が妖怪になったもの
出現場所
夜道
特徴
難産のために命を落とした妊婦が妖怪になったもの。血に染まった腰巻き姿で夜道に現れ、通りすがりの人に赤ん坊を抱かせようとする。中国の伝承(姑獲鳥)と日本の民話(産女)が混ざり合って成立した。
主な伝承・資料
柳田国男『妖怪談義』(講談社学術文庫)/京極夏彦『姑獲鳥の夏』(講談社文庫)※名称と民俗学的解釈について

01

夜道で「赤ん坊を抱いて」と頼む女

夜、雨の降る川辺などを歩いていると、下半身が血に染まった女性が現れます。彼女は「この子を抱いてください」と、泣いている赤ん坊を差し出してきます。

通行人が哀れに思って赤ん坊を受け取ると、女の姿はフッと消えてしまいます。しかし、抱いた赤ん坊は最初は普通の重さですが、次第にドンドンと重くなっていき、最後は抱き抱えられないほどの重量になってしまいます。

夜道で「赤ん坊を抱いて」と頼む女

02

赤ん坊の正体は「石」や「葉っぱ」

限界まで耐えて赤ん坊を抱き続けていると、重さは限界に達し、腕の中で赤ん坊の姿がスッと消えます(あるいは朝を迎えます)。

腕の中を見てみると、抱いていたはずの赤ん坊は、ただの「重い石」や「お地蔵様」、あるいは「大量の木の葉」に変わっているという結末が一般的です。最後まで逃げずに抱き続けた者には、女性から怪力を授けられたり、黄金をもらえたりするという「恩返し」のパターンも多く残されています。

赤ん坊の正体は「石」や「葉っぱ」

03

難産で死んだ母親の無念

この「産女(うぶめ)」の伝承は、日本の妖怪伝説の中でも極めて悲しく、切実な背景を持っています。

現代のように医療が発達していなかった時代、お産(出産)はまさに命がけであり、命を落とす母親が数多くいました。「生きて我が子を抱きたかった、育てたかった」という母親たちの無念と深い愛情が、この妖怪を生み出しました。姑獲鳥は恐怖の対象ではなく、地域社会全体で死んだ母親と遺された命を弔うための、祈りの伝承なのです。

難産で死んだ母親の無念

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