01
夜道で「赤ん坊を抱いて」と頼む女
夜、雨の降る川辺などを歩いていると、下半身が血に染まった女性が現れます。彼女は「この子を抱いてください」と、泣いている赤ん坊を差し出してきます。
通行人が哀れに思って赤ん坊を受け取ると、女の姿はフッと消えてしまいます。しかし、抱いた赤ん坊は最初は普通の重さですが、次第にドンドンと重くなっていき、最後は抱き抱えられないほどの重量になってしまいます。


うぶめ
姑獲鳥
01
夜、雨の降る川辺などを歩いていると、下半身が血に染まった女性が現れます。彼女は「この子を抱いてください」と、泣いている赤ん坊を差し出してきます。
通行人が哀れに思って赤ん坊を受け取ると、女の姿はフッと消えてしまいます。しかし、抱いた赤ん坊は最初は普通の重さですが、次第にドンドンと重くなっていき、最後は抱き抱えられないほどの重量になってしまいます。

02
限界まで耐えて赤ん坊を抱き続けていると、重さは限界に達し、腕の中で赤ん坊の姿がスッと消えます(あるいは朝を迎えます)。
腕の中を見てみると、抱いていたはずの赤ん坊は、ただの「重い石」や「お地蔵様」、あるいは「大量の木の葉」に変わっているという結末が一般的です。最後まで逃げずに抱き続けた者には、女性から怪力を授けられたり、黄金をもらえたりするという「恩返し」のパターンも多く残されています。

03
この「産女(うぶめ)」の伝承は、日本の妖怪伝説の中でも極めて悲しく、切実な背景を持っています。
現代のように医療が発達していなかった時代、お産(出産)はまさに命がけであり、命を落とす母親が数多くいました。「生きて我が子を抱きたかった、育てたかった」という母親たちの無念と深い愛情が、この妖怪を生み出しました。姑獲鳥は恐怖の対象ではなく、地域社会全体で死んだ母親と遺された命を弔うための、祈りの伝承なのです。

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