一反木綿

いったんもめん

一反木綿

一反木綿|怖い妖怪なのに、女の子が大好き?

基本情報

名称
一反木綿(いったんもめん)
読み
いったんもめん
分類
妖怪
主な伝承地
鹿児島県肝属郡など
出現場所
夜の道に現れる白い反物のような姿
特徴
白い反物のような姿で夜にひらひら現れ、人を襲うと伝わる
主な伝承・資料
怖い妖怪なのに、女の子が大好き?

01

怖い妖怪なのに、女の子が大好き?

一反木綿は、最初から親しみやすい妖怪だったわけではありません。

柳田國男が1938年にまとめた「妖怪名彙(四)」には、鹿児島県肝属郡で、一反木綿の形をしたものが夜にひらひらと現れ、人間を襲うという伝承が記録されています。

ところが現代の映像作品では、ずいぶん違う顔も見せます。東映アニメーションの「ゲゲゲの鬼太郎」公式キャラクター紹介では、一反もめんは「女の子が大好きな九州の妖怪」とされ、女の子を見ると口説きに行くキャラクターとして描かれています。

昔の伝承では人を襲う怪異。現代作品では、空を飛びながら恋にも飛んでいく。

同じ一反木綿でも、時代と作品で印象は驚くほど変わっています。

女性の前にひらひらと現れる一反木綿

02

水に濡れたら、まさかの乾燥機

布の妖怪なら、水に濡れたらどうなるのでしょう。

「ゲゲゲの鬼太郎」の公式エピソード紹介には、一反もめんが水に濡れて動けなくなり、仲間を助けるために苦手な乾燥機に入って体を乾かす場面が紹介されています。

妖怪の弱点を克服する方法が、呪文でも霊力でもなく乾燥機。

「布なんだから乾かせばいい」という妙に生活感のある解決法が、一反木綿らしい可笑しさを生んでいます。

これは民間伝承そのものではなく、あくまで作品内で描かれた設定です。古い伝承と現代作品は分けて楽しむのがポイントです。

乾燥機の中で回る一反木綿

03

そもそも、本当に「布」だった?

名前からして「一反の木綿」。では昔の人は、本当に長い布の妖怪を見たのでしょうか。

古い記録から確実に言えるのは、鹿児島県肝属郡で「一反木綿の形をしたもの」が夜にひらひら現れると語られていたことです。記録は、それが何から生まれたのかまでは説明していません。

風に舞う白い布を怪異として見たのか、それとも最初から妖怪として語られていたのか。後世にはさまざまな由来の説明がありますが、確かな古記録だけで一つに決めることはできません。

ちなみに「反」は布を数える単位です。しかし、名前に「一反」とあるからといって、妖怪の実寸がそのまま一反分だったと断定することもできません。

布のような妖怪なのか、布が妖怪に見えたのか。名前は分かりやすいのに、正体は意外と曖昧です。

夕暮れの風に大きく舞う白い布

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