01
痛くないのに「パックリ切れている」
冬の寒い日、雪道を歩いていると突然突風が吹き、バタンと転んでしまいます。立ち上がってみると、足や腕の皮膚がスパッと刃物で切られたように裂けている。しかも、なぜか全く痛みを感じず、血も出ない。
この不思議な怪異現象を、昔の人は「かまいたち(鎌鼬)に切られた」と恐れました。目に見えない刃物が風に乗って飛んでくるという、極めてスタイリッシュな恐怖現象です。


かまいたちのよる
かまいたち
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冬の寒い日、雪道を歩いていると突然突風が吹き、バタンと転んでしまいます。立ち上がってみると、足や腕の皮膚がスパッと刃物で切られたように裂けている。しかも、なぜか全く痛みを感じず、血も出ない。
この不思議な怪異現象を、昔の人は「かまいたち(鎌鼬)に切られた」と恐れました。目に見えない刃物が風に乗って飛んでくるという、極めてスタイリッシュな恐怖現象です。

02
この現象の犯人として語り継がれたのが、空を飛ぶ「3匹のイタチ」の兄弟です。
彼らのチームプレーは完璧です。まず、1匹目のイタチが猛スピードで突っ込んできて「人を転ばせます」。次に、2匹目のイタチが鎌のような鋭い爪で「皮膚を切り裂きます」。そしてすかさず、3匹目のイタチが「痛み止め(血止め)の薬を塗ります」。だから血も出ないし痛くないのだ、という非常に理にかなった(?)設定が作られました。

03
しかし現代科学は、このロマンチックな妖怪伝説を身も蓋もない理由で説明してしまいました。
雪国などでの急激な気温低下で皮膚の表面の水分が奪われてカサカサになり、そこに突風(旋風)による気圧の変化や小さな氷の粒が当たることで、皮膚が「あかぎれ(ひび割れ)」を起こして裂けてしまう現象(真空説など諸説あり)だというのです。寒さと乾燥という自然の脅威を、3匹のイタチの仕業だと想像した昔の人々のイマジネーションの豊かさに感心させられます。

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