ろくろ首

ろくろくび

ろくろ首

ろくろ首|実は「首が伸びる」だけではなかった

基本情報

名称
ろくろ首(ろくろくび)
読み
ろくろくび
分類
妖怪
主な伝承地
日本各地。怪談・随筆・口承などに記録がある
出現場所
夜の怪談・随筆・口承の場
特徴
首が長く伸びる / 頭や首が胴体から離れる
主な伝承・資料
実は「首が伸びる」だけではなかった

01

実は「首が伸びる」だけではなかった

いま「ろくろ首」と聞けば、首がびよーんと長く伸びる女性を思い浮かべる人が多いでしょう。

ところが、古い怪談をたどると、それだけではありません。眠っている体から頭や首が離れ、外へ飛び出してしまう——そんなタイプの怪異も「ろくろ首」と結びつけられてきました。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースにも、寝ている間に体を離れて首が飛ぶという記録があります。

「抜ける首」と「伸びる首」が、同じ名前の周りで語られてきた。

現代のシンプルなイメージより、昔のろくろ首のほうが、むしろ話がややこしいのです。

外れた自分の頭を膝に置いて座るろくろ首

02

同じ「ろくろ首」なのに、姿がいろいろある

では、「頭が飛ぶ話」と「首が伸びる話」のどちらが本物なのでしょうか。

実は、そこをきれいに一本の進化図にはできません。伝承や記録には、首が体を離れるもの、首と胴が細長い糸のようなものでつながるもの、首が長く伸びるものなど、複数の姿が見られます。

つまり、「抜け首が、ある日突然、伸びる首へ進化した」と単純には言えません。

同じ名前の妖怪なのに、見た目の仕様が一つに決まっていない。そこが少々やっかいで、かなり面白いところです。

庭先に現れた複数の姿のろくろ首

03

そもそも、なぜ「ろくろ」なのか?

名前も妙です。「ろくろ」と聞けば、現在なら陶芸で器を回す轆轤を思い浮かべる人が多いでしょう。

一方、福岡市博物館の「おつるろくろ首」の解説では、「ろくろ(轆轤)」を井戸の水をくみ上げるための滑車と縄の装置と説明し、桶が上下するさまと首が伸び縮みするさまを重ねています。

名前の説明にも複数の語られ方があり、簡単に一つへ決めつけるのは禁物です。

首は伸びるのか。抜けるのか。名前はどこから来たのか。

調べれば調べるほど首をかしげたくなる——ろくろ首とは、そんな妖怪です。

ぐるぐる巻きの首で陶芸のろくろを回すろくろ首

SAME CATALOG

同じ図鑑のほかの記事