01
「亀の甲羅」に乗って登場するインパクト
神武天皇の船団が、潮の流れが激しい速吸門(はやすいのと)に差し掛かり、どうやって海峡を越えればいいか悩んでいた時のこと。なんと海の上から、巨大な「亀の甲羅」に乗って釣りをしながら近づいてくる男がいました。神話の中でも一、二を争うほどクセが強くてファンタジックな初登場シーンです。


しいねつひこ
椎根津彦
Generated illustration: are-iina
01
神武天皇の船団が、潮の流れが激しい速吸門(はやすいのと)に差し掛かり、どうやって海峡を越えればいいか悩んでいた時のこと。なんと海の上から、巨大な「亀の甲羅」に乗って釣りをしながら近づいてくる男がいました。神話の中でも一、二を争うほどクセが強くてファンタジックな初登場シーンです。

02
天皇から「お前は誰だ、海路を知っているか?」と問われ、男は「私は国津神です。海の道ならよく知っています」と答え、天皇の船に引き入れられました。天皇は彼に、船を操るための棹(さお)を与え、「サオネツヒコ(棹の達人)」という名を授けました。彼の的確なナビゲートのおかげで、軍は無事に瀬戸内海を進むことができたのです。

03
ただの道案内のおじさんではありません。彼は大和での最終決戦でも水軍を率いて活躍し、建国後にはその大きな功績が認められて「大和国造(やまとのくにのみやつこ)」という、大和地方の行政トップの地位を与えられました。亀に乗った地元の漁師が、国家のトップ官僚へと成り上がった痛快なサクセスストーリーです。

SAME CATALOG