01
苦しむイザナミの「吐瀉物」から誕生
火の神を産んだことで下半身に致命的な火傷を負い、死の淵で苦しむイザナミ。彼女が苦痛のあまり吐き出した「嘔吐物(たぐり)」から生まれたのが、金山毘古神(カナヤマヒコ)です。神話において、これほどグロテスクで生々しい誕生シーンを持つ神様は他にいません。


かなやまびこのかみ
金山毘古神
01
火の神を産んだことで下半身に致命的な火傷を負い、死の淵で苦しむイザナミ。彼女が苦痛のあまり吐き出した「嘔吐物(たぐり)」から生まれたのが、金山毘古神(カナヤマヒコ)です。神話において、これほどグロテスクで生々しい誕生シーンを持つ神様は他にいません。

02
なぜ吐き出したものから金属の神が生まれたのでしょうか。古代の製鉄(たたら吹きなど)では、ドロドロに溶けた高温の鉱石や鉄の不純物が、炉から外へ「吐き出される」ように流れ出ます。この灼熱の鉱石が溶けて流れ出すビジュアルを、苦しんで嘔吐する姿に重ね合わせたという説が有力です。

03
誕生のエピソードは強烈ですが、金属の神としての実力は絶大です。刃物や農具を作る鍛冶屋から、現代の鉄鋼メーカーや精密機械の工場に至るまで、金属を扱うあらゆる職人から「安全と繁栄の守護神」として岐阜県の南宮大社などで篤く信仰されています。

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