01
釣りの最中に突きつけられた「国譲り」
天界から最強の武神・タケミカヅチが降りてきて、大国主命(オオクニヌシ)に「この国を天の神に譲れ」と迫りました。オオクニヌシは「私の一存では決められないので、息子の事代主神(コトシロヌシ)に聞いてください」と答えます。 その時、コトシロヌシは美保の岬(島根県)で、のんびりと鳥釣(魚釣り)を楽しんでいました。そこに突然、恐ろしい天の使者がやってきて「お前の父の国を譲るか?」と最終決断を迫ってきたのです。


ことしろぬしのかみ
事代主神
01
天界から最強の武神・タケミカヅチが降りてきて、大国主命(オオクニヌシ)に「この国を天の神に譲れ」と迫りました。オオクニヌシは「私の一存では決められないので、息子の事代主神(コトシロヌシ)に聞いてください」と答えます。 その時、コトシロヌシは美保の岬(島根県)で、のんびりと鳥釣(魚釣り)を楽しんでいました。そこに突然、恐ろしい天の使者がやってきて「お前の父の国を譲るか?」と最終決断を迫ってきたのです。

02
オオクニヌシが長年苦労して作り上げた国です。少しは悩んだり、抵抗したりするかと思いきや、コトシロヌシの決断は異常なほどスピーディーでした。 「恐れ多いことです。この国は天の神の御子に差し上げましょう」 そう即答したかと思うと、彼は乗っていた船を踏み傾けて「青柴垣(あおふしがき=青い葉のついた垣根)」に変え、その中にポンッと隠れて、二度と姿を見せることはありませんでした。抵抗してボコボコにされた弟(タケミナカタ)とは対照的な、あまりにも潔く、未練ゼロのフェードアウトです。

03
神話の表舞台からあっさりと姿を消したコトシロヌシですが、彼の「釣り好き」という属性と、争いを好まない平和的な態度は、後世の人々に深く愛されました。 中世以降、彼は鯛を抱えて釣り竿を持った福の神「えびす様」と同一視されるようになり、全国のえびす神社(美保神社など)で商売繁盛や豊漁の神として絶大な信仰を集めることになります。あっさり国を譲ったことで、結果的に現代日本で最も親しまれる神様の一柱へと大出世を果たしたのです。

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