01
母親を焼き殺してしまった業火の赤子
国生み・神生みを順調に進めていたイザナギとイザナミの夫婦。しかし、火の神である火之迦具土神(カグツチ)を出産した際、母であるイザナミは陰部に致命的な大火傷を負ってしまいます。
これが原因でイザナミは苦しみ抜き、日本神話において初めて「死」を迎えて黄泉の国へ去ってしまいました。産まれたばかりのカグツチは、意図せずして世界に初めて「死」という概念をもたらしてしまった、あまりにも業の深い神なのです。


ひのかぐつちのかみ
火之迦具土神
01
国生み・神生みを順調に進めていたイザナギとイザナミの夫婦。しかし、火の神である火之迦具土神(カグツチ)を出産した際、母であるイザナミは陰部に致命的な大火傷を負ってしまいます。
これが原因でイザナミは苦しみ抜き、日本神話において初めて「死」を迎えて黄泉の国へ去ってしまいました。産まれたばかりのカグツチは、意図せずして世界に初めて「死」という概念をもたらしてしまった、あまりにも業の深い神なのです。

02
愛する妻を失った父・イザナギの悲しみは、やがて凄まじい怒りへと変わります。
イザナギは腰に帯びていた十拳剣(とつかのつるぎ)を引き抜くと、産まれたばかりの我が子であるカグツチの首を無惨に斬り落としてしまいました。誕生した直後に母親を殺してしまい、その直後に父親に殺される。カグツチ自身は一言も言葉を発することなく、物語から退場します。

03
しかし、カグツチの物語は彼の死から始まります。
イザナギの剣についたカグツチの血が岩に飛び散ると、そこからタケミカヅチ(国譲りで活躍する雷・剣の神)をはじめとする、強力な武神たちが次々と誕生しました。また、斬られたカグツチの死体からも、山の神や谷の神など8柱の神が生まれています。破壊と死をもたらす「火」は、同時に鉄を鍛え、新しい生命や道具を生み出す強力なエネルギーでもある。古代の日本人が抱いていた火への畏怖と恩恵が、この凄惨なエピソードに凝縮されています。

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