01
海神の怒りを鎮めるための「身投げ」
ヤマトタケルが東国の討伐に向かう際、走水(東京湾の浦賀水道)を渡ろうとしましたが、タケルが「こんな小さな海、ひとっ飛びだ」と海神をバカにしたため、海神が激怒して大嵐を起こしました。船が沈む絶体絶命のピンチの中、妻である弟橘媛(オトタチバナヒメ)は「私が海に入って神の怒りを鎮めます。あなたは任務を全うしてください」と、自ら荒れ狂う海へ身を投げたのです。


おとたちばなひめ
弟橘媛
01
ヤマトタケルが東国の討伐に向かう際、走水(東京湾の浦賀水道)を渡ろうとしましたが、タケルが「こんな小さな海、ひとっ飛びだ」と海神をバカにしたため、海神が激怒して大嵐を起こしました。船が沈む絶体絶命のピンチの中、妻である弟橘媛(オトタチバナヒメ)は「私が海に入って神の怒りを鎮めます。あなたは任務を全うしてください」と、自ら荒れ狂う海へ身を投げたのです。

02
彼女が海に飛び込むと、嘘のように嵐はピタリと止み、ヤマトタケルの船は無事に対岸へと渡ることができました。その7日後、海辺に彼女が使っていた美しい「櫛(くし)」だけがぽつんと流れ着きました。この櫛をお祀りしたのが、現在の橘樹神社(千葉県茂原市など)の起源だとされています。

03
任務を終えて帰る途中、足柄峠(または碓氷峠)に立ったヤマトタケルは、海を見下ろして「あづまはや(ああ、私の愛する妻よ……)」と三度も大きな声で嘆き悲しみました。無敵の英雄が初めて見せた、妻を失った永遠の後悔。この彼の悲痛な叫び声が、現在の関東地方を「吾妻(あずま=東)」と呼ぶようになった語源だという、美しくも悲しい地名由来説話です。

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