波邇夜須毘古神

はにやすひこのかみ

波邇夜須毘古神

波邇夜須毘古神|ウンコから生まれた神様! 波邇夜須毘古神と古代の土壌学

基本情報

名称
波邇夜須毘古神
読み
はにやすひこのかみ
神格・役割
土や粘土、陶器を司る神。
系譜
土や粘土、陶器を司る神。『古事記』では波邇夜須毘古神・波邇夜須毘売神(ハニヤスビコ・ハニヤスビメ)の男女一対の神として登場する。イザナミが火の神を出産して大火傷を負い、苦しんでいる最中の排泄物から生まれた。
関連する神
イザナミ
主なゆかりの地
山
主な登場資料
『古事記』(上巻)、戸部民夫『日本の神様がわかる本』(PHP研究所)
代表的な物語
壮絶な出産事故と、ウンコからの誕生/なぜ「土の神」が排泄物から生まれたのか/死の淵で生まれた「農業のインフラ」

01

壮絶な出産事故と、ウンコからの誕生

国生み・神生みを続けていたイザナミですが、火の神(カグツチ)を出産した際、陰部に致命的な大火傷を負って病の床に伏せてしまいます。 高熱にうなされ、のたうち回って苦しむイザナミ。その苦痛の中で彼女が漏らした「大便(糞)」から化生(誕生)したのが、波邇夜須毘古神(ハニヤスビコ)と波邇夜須毘売神(ハニヤスビメ)の二柱の神でした。日本の神様の中には色々なモノから生まれた神がいますが、排泄物から直接生まれた神様はこのハニヤス神たちだけです。

壮絶な出産事故と、ウンコからの誕生

02

なぜ「土の神」が排泄物から生まれたのか

「ウンコから生まれた」と聞くと汚いイメージしかありませんが、この神は「土・粘土(ハニ)」を司る非常に重要な神格を持っています。 なぜ大便と土が結びつくのでしょうか。古代の農業において、人間の排泄物(ウンコ)は、痩せた土地を肥沃にするための最も身近で強力な「肥料」でした。イザナミの体から出た排泄物が、豊かな土壌を作り、陶器(埴輪などの土器)を生み出す。ウンコを汚物としてではなく「大地を豊かにする生命の源」としてポジティブに捉えていた古代人の合理的な視点が伺えます。

なぜ「土の神」が排泄物から生まれたのか

03

死の淵で生まれた「農業のインフラ」

ちなみに、イザナミが苦しんで漏らした「尿」からは水の神(ミツハノメ)が、「嘔吐物」からは鉱山の神(カナヤマヒコ)が生まれています。 死の苦しみ(肉体の崩壊)の中から、農業や生活に不可欠な「土、水、金属」というインフラストラクチャーの神々が次々と産み落とされたのです。グロテスクで生々しい描写の裏側に、自然界の究極の物質循環(リサイクルシステム)が隠されている奥深い神話です。

死の淵で生まれた「農業のインフラ」

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