Photo: Nesnad / Wikimedia Commons / CC BY 4.001
加藤清正が築いた「96段の石段」に隠された法華経の暗号
池上本門寺の総門をくぐると、目の前に立ちはだかるのが「此経難持坂(しきょうなんじざか)」と呼ばれる急峻な石段です。慶長年間(16世紀末〜17世紀初頭)に、熱烈な日蓮宗の信者であった戦国武将・加藤清正が寄進して築かせたものです。 この石段の段数は、ぴったり「96段」で構成されています。これは偶然ではありません。法華経の中にある「見宝塔品(けんほうとうほん)」の偈文(げぶん=詩句)が96文字で構成されていることに由来しており、参拝者は石段を一段登るごとに、法華経の文字を一つずつ読み上げるのと同じ功徳が得られるように設計されているのです。 朝鮮出兵などで数々の激戦をくぐり抜けた猛将・清正が、自身の財力と土木技術を注ぎ込み、経典の暗号を物理的な石段として具現化したこの坂は、戦国武将の深い信仰心と呪術的なこだわりを今に伝えています。

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