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戦闘神・阿修羅はなぜ「哀しげな少年」の顔なのか
興福寺の国宝館に安置されている「阿修羅像(あしゅらぞう)」。三つの顔と六つの腕を持つこの仏像は、天平文化の最高傑作としてアイドル的な人気を誇ります。しかし、古代インドの神話において、阿修羅は帝釈天(たいしゃくてん)という神と果てしない戦争を繰り返した、怒りと憎しみの象徴である「戦闘神」です。普通なら恐ろしい鬼のような顔で造られるはずですが、興福寺の阿修羅は眉をひそめ、どこか哀しげで、憂いを帯びた少年のように見えます。なぜでしょうか。この像は、光明皇后が亡き母のために造らせたものです。阿修羅は仏の教えに出会い、自らの愚かな争いを深く反省し、仏法を守る守護神へと生まれ変わりました。あの表情は、「戦うことの虚しさ」に気づき、過去の罪を深く懺悔している瞬間を捉えたものだと言われています。暴力から目覚め、真理に触れた心の揺らぎが、あの美しくも切ない顔に刻まれているのです。

戦闘神・阿修羅はなぜ「哀しげな少年」の顔なのか
Photo: LEGACY_REFERENCE: /var/lib/are-iina/unpublished/temples/kofukuji


