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五右衛門は「三門」を見ていない? 歌舞伎が生んだ幻の絶景
南禅寺の入り口にそびえ立つ、高さ約22メートルの巨大な「三門(さんもん)」。歌舞伎『楼門五三桐(さんもんごさんのきり)』の中で、大泥棒・石川五右衛門がこの楼上に上がり、「絶景かな、絶景かな」と春の京都を見下ろして見得を切る名シーンで有名です。しかし、史実と照らし合わせると、大きな矛盾が生じます。石川五右衛門が豊臣秀吉によって釜茹での刑に処されたのは、文禄3年(1594年)です。一方、現在私たちが登ることができる南禅寺の巨大な三門が建てられたのは、寛永5年(1628年)。藤堂高虎が「大坂の陣」で戦死した家臣を弔うために寄進したものです。つまり、五右衛門が処刑された時点では、この三門は影も形も存在していなかったのです。歌舞伎の作者が、後世に建てられた南禅寺のあまりにも立派な三門を見て、「大泥棒を立たせるならこの舞台しかない」と時代設定を無視して創作した、というのが真相です。

五右衛門は「三門」を見ていない? 歌舞伎が生んだ幻の絶景
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