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大火災でドロドロに溶けた顔
飛鳥大仏は、止利仏師(とりぶっし)という渡来系の名工によって銅で造られました。しかし鎌倉時代の建久7年(1196年)、落雷による大火災で寺は全焼。その際、大仏も火に包まれ、顔の一部や右腕などがドロドロに溶け落ちてしまうという壊滅的なダメージを受けました。

大火災でドロドロに溶けた顔
Photo: LEGACY_REFERENCE: /var/lib/are-iina/unpublished/temples/asukadera

あすかでら / 正式名称:安居院
飛鳥寺
日本最古の本格的寺院・飛鳥寺。そこにある日本最古の仏像「飛鳥大仏」は、顔の右半分と左半分で全く表情が違う、激動の歴史を刻んだ傷だらけの姿をしていました。
飛鳥寺を、右顔と左顔で表情が違う?日本最古の仏「飛鳥大仏」に刻まれた火災と修復のリアルという切り口から読み直します。
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飛鳥大仏は、止利仏師(とりぶっし)という渡来系の名工によって銅で造られました。しかし鎌倉時代の建久7年(1196年)、落雷による大火災で寺は全焼。その際、大仏も火に包まれ、顔の一部や右腕などがドロドロに溶け落ちてしまうという壊滅的なダメージを受けました。

大火災でドロドロに溶けた顔
Photo: LEGACY_REFERENCE: /var/lib/are-iina/unpublished/temples/asukadera
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その後、後世の人々によって修復が行われましたが、失われた部分を別の銅や木で継ぎ接ぎしたため、元のシャープな造形(アルカイックスマイル)を完全に取り戻すことはできませんでした。そのため、向かって右側は厳しく、左側は少し穏やかという、左右非対称の奇妙で痛々しい表情になってしまったのです。

不完全な修復が生んだ「非対称の顔」
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京都や奈良の有名なお寺の仏像は、火災のたびに避難させられたり、新しいものに作り直されたりして美しい姿を保っています。しかし飛鳥大仏は、1400年間、蘇我馬子が建てた当時の場所から一歩も動かず、火に焼かれて無惨な姿になっても、ツギハギのままそこに座り続けてきました。「美しい美術品」ではなく、「生き残った証人」としての凄みがそこにあるのです。まとめ飛鳥大仏の歪んだ顔は、日本の仏教が歩んできた激しい歴史の物理的な傷跡です。ピカピカに保存された国宝の仏像にはない、傷つきながらも現在まで信仰を集め続けてきた「執念」と「人々の祈りの連続性」が、その左右非対称のお顔に克明に刻み込まれています。

場所を動かなかった執念
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