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一本の巨大なクスノキから生まれた「双子の観音」
長谷寺の十一面観音には、『長谷寺縁起』に記された壮大な伝説があります。 奈良時代、近江国(現在の滋賀県)の山中に、尋常ではない大きさのクスノキの霊木がありました。あまりに巨大で神聖なため誰も手を出せませんでしたが、徳道上人という僧侶がこの木を引き取り、二体の巨大な十一面観音を彫り上げました。 そのうち、根元に近い方の木(本木)で彫られたのが、現在の奈良・長谷寺の本尊です。そして、木の先端の方(末木)で彫られたもう一体の観音像は、「縁のある土地でお救いください」と祈りを込めて海へ流されました。 その観音像が太平洋を漂い、相模国(現在の神奈川県)の三浦半島に流れ着き、そこから遷座して祀られたのが「鎌倉の長谷寺」だというのです。つまり、奈良と鎌倉の巨大観音は、同じ一本の木から生まれた「双子」だという壮大なネットワーク伝説が存在するのです。

Photo: EXPOP / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
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