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海から引き上げられた「弘法大師像」
平安時代後期、尾張国(現在の愛知県)に平間兼乗(ひらまかねのり)という武士がいました。彼は無実の罪を着せられて主君から追放(リストラ)され、諸国を放浪した末に川崎の地へ流れ着き、漁師として細々と命をつないでいました。兼乗は深く仏法に帰依しており、ある夜、夢枕に高僧が現れ「海に網を打て」とお告げを受けます。翌朝、海に網を投げ入れると、なんと弘法大師(空海)の木像が引き上げられました。感激した兼乗は小さな草庵を結んでこの像を供養しました。その後、諸国を巡っていた高野山の尊賢(そんけん)上人がこの話に感銘を受け、兼乗と協力して寺を建立したのが「平間寺」の始まりです。大寺院のルーツが、名もなきどん底の元武士による「網での引き上げ」だったというエピソードは、人生の厄を払うお寺の縁起として非常にドラマチックです。

海から引き上げられた「弘法大師像」
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