01
史実をベースにした「お家騒動」
「鍋島化け猫騒動」は、佐賀県に伝わる超有名な怪談ですが、そのベースには生々しい政治闘争(お家騒動)があります。
もともと佐賀の支配者は「龍造寺(りゅうぞうじ)氏」でしたが、当主が戦死したドサクサで、重臣であった「鍋島氏」が実権を握り、主君の座を乗っ取ってしまいました。この「龍造寺家の悔しさ」と「鍋島家のやましさ」が、のちに恐ろしい怨霊の物語として大衆演劇で語られることになります。


りゅうぞうじのはは
龍造寺の母
01
「鍋島化け猫騒動」は、佐賀県に伝わる超有名な怪談ですが、そのベースには生々しい政治闘争(お家騒動)があります。
もともと佐賀の支配者は「龍造寺(りゅうぞうじ)氏」でしたが、当主が戦死したドサクサで、重臣であった「鍋島氏」が実権を握り、主君の座を乗っ取ってしまいました。この「龍造寺家の悔しさ」と「鍋島家のやましさ」が、のちに恐ろしい怨霊の物語として大衆演劇で語られることになります。

02
講談や芝居で作られた怪談のストーリーはこうです。
佐賀藩の二代藩主・鍋島光茂の機嫌を損ねたため、盲目の青年であった龍造寺又七郎(龍造寺家の生き残り)が、理不尽にも斬り殺されてしまいました。又七郎の帰りを待っていた盲目の老母は、息子の死を知らされると絶望の淵に突き落とされます。彼女は、可愛がっていた黒猫(または三毛猫)に悲しみを切々と語り聞かせ、短刀で自らの胸を突いて命を絶ちました。

03
母が流した無念の血を、飼い猫がペロペロと舐めました。すると猫には恐ろしい怨念が乗り移り、巨大な「化け猫」へと変貌を遂げたのです。
化け猫は鍋島光茂の愛妾を食い殺して彼女の姿に化け、夜な夜な光茂の血をすすって彼を呪い殺そうとしました(最終的には忠臣・小森半左衛門によって退治されます)。主君の座を奪われた一族の無念を、一匹の猫が怨霊となって晴らすという、江戸時代特有の「因果応報」と「動物の呪い」がミックスされた傑作怪談です。

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