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史実:元天皇の愛人という絶対権力
藤原薬子(ふじわらのくすこ)は、もともと平城天皇の妃の「母親(姑)」として宮中に入りましたが、その美貌で平城天皇本人の寵愛を受け、愛人となってしまいました。
平城天皇が弟の嵯峨天皇に位を譲って上皇(元天皇)となった後も、薬子と彼女の兄(藤原仲成)は上皇の権威を盾にして政治に介入し、朝廷は「上皇派」と「天皇派」に真っ二つに分かれる異常事態(二所朝廷)となりました。


ふじわらのくすこ
藤原薬子
01
藤原薬子(ふじわらのくすこ)は、もともと平城天皇の妃の「母親(姑)」として宮中に入りましたが、その美貌で平城天皇本人の寵愛を受け、愛人となってしまいました。
平城天皇が弟の嵯峨天皇に位を譲って上皇(元天皇)となった後も、薬子と彼女の兄(藤原仲成)は上皇の権威を盾にして政治に介入し、朝廷は「上皇派」と「天皇派」に真っ二つに分かれる異常事態(二所朝廷)となりました。

02
810年、ついに薬子たちは「嵯峨天皇を廃し、平城上皇を再び天皇にする」というクーデター(薬子の変、または平城太上天皇の変)を決行します。
しかし、嵯峨天皇側には坂上田村麻呂などの強力な武将がついており、クーデターはあっけなく鎮圧されてしまいます。兄の仲成は処刑され、逃げ場を失った薬子は、捕まって屈辱を受ける前に自ら毒をあおり、壮絶な自害を遂げました。

03
事件を鎮圧した嵯峨天皇ですが、その後、薬子と仲成の怨霊に激しく悩まされることになります。
彼らの死後、都では疫病が流行り、嵯峨天皇の周辺で不幸が相次ぎました。勝者である嵯峨天皇は「これは薬子たちの怨念だ」と深く怯え、彼らの魂を鎮めるために仏教の儀式を頻繁に行い、ついには朝廷の公式行事(死刑の廃止など)にまで影響を与えることになりました。魔性の女の情念は、死してなお国家のトップを震え上がらせたのです。

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