01
伝承の始まり:祈祷の報酬の「未払い」
頼豪(らいごう)は非常に優れた呪力を持つ僧侶でした。白河天皇から「なんとか男の子(皇位継承者)を産ませてほしい」と頼まれ、必死の祈祷の末に見事、敦文親王を誕生させます。
天皇は喜び「何でも褒美をとらせよう」と言いましたが、頼豪が「私の寺(三井寺)に戒壇(僧侶に資格を与える施設)を作らせてください」と頼むと、天皇は対立する比叡山延暦寺の反対を恐れて、この約束を反故にしてしまいました。


らいごう
頼豪
01
頼豪(らいごう)は非常に優れた呪力を持つ僧侶でした。白河天皇から「なんとか男の子(皇位継承者)を産ませてほしい」と頼まれ、必死の祈祷の末に見事、敦文親王を誕生させます。
天皇は喜び「何でも褒美をとらせよう」と言いましたが、頼豪が「私の寺(三井寺)に戒壇(僧侶に資格を与える施設)を作らせてください」と頼むと、天皇は対立する比叡山延暦寺の反対を恐れて、この約束を反故にしてしまいました。

02
国のトップからの「報酬未払い」に、頼豪は激怒します。「私が祈祷で産ませた皇子は、私の魔力で取り殺してやる!」
彼は自分の寺に引きこもり、一切の飲食を絶ち、髪や髭も伸ばし放題にして、100日間天皇を呪い続けながら餓死しました。すると、彼の怨念は「石の体と鉄の牙を持つ巨大なネズミ(鉄鼠)」に姿を変え、さらに数万匹のネズミの大群を引き連れて、憎き比叡山延暦寺へと襲いかかりました。

03
ネズミの大群は比叡山に押し寄せ、仏像をかじり、何より大切な「仏教の経典(書物)」を次々と食い破って壊滅的な被害を与えました。
さらに、頼豪の予言通り、彼が祈祷で産ませた敦文親王もわずか4歳で病死してしまいます。この「怨念がネズミの群れになる」という伝承は、当時の木造建築や紙の書物に頼っていた仏教勢力にとって、ネズミの害が「怨霊の呪い」に匹敵するほどリアルな恐怖であったことを示しています。

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