船幽霊

ふなゆうれい

船幽霊

船幽霊|ヒシャクを貸したら沈められる! 船幽霊と漁師の頭脳戦

基本情報

名前
船幽霊
読み
ふなゆうれい
生きた時代
江戸時代の怪談、随筆、近代の民俗資料などに多く見られる
生前の立場
船幽霊、舟幽霊(ふなゆうれい)は、日本全国各地に伝わる海上の幽霊が怨霊となったもの
主な伝承地・ゆかりの地
船幽霊、舟幽霊(ふなゆうれい)は、日本全国各地に伝わる海上の幽霊が怨霊となったもの
死・怨霊化の経緯
海難事故で亡くなった人々の霊が化けたとされる日本の海の幽霊
祟り・伝承
船幽霊、舟幽霊(ふなゆうれい)は、日本全国各地に伝わる海上の幽霊が怨霊となったもの
区分
怨霊伝承

01

海の中から「ヒシャク貸せ」

夜、漁師たちが沖合で船を走らせていると、突然、海の中から青白い手が無数に伸びてきます。そして「ヒシャクを貸してくれぇ……」という不気味な声が響き渡ります。

これが「船幽霊(ふなゆうれい)」です。彼らは海難事故で死んで海の底に沈んだ亡霊たちであり、「自分たちと同じように、生きた人間も海に沈めて道連れにしてやろう」という非常にタチの悪い目的を持っています。

海の中から「ヒシャク貸せ」

02

貸したヒシャクで「海水を汲み入れられる」

もし可哀想に思って船にあった柄杓を貸してしまうと、最悪の事態になります。

船幽霊たちはその柄杓を使って、ものすごいスピードで「船の中に海水をドボドボと汲み入れ始める」のです。あっという間に船は水で一杯になり、重みで海の底へ沈められてしまいます。怪奇現象でありながら、船を沈没させる手口は極めて「物理的」なのがこの幽霊の特徴です。

貸したヒシャクで「海水を汲み入れられる」

03

漁師の危機管理「底抜け柄杓」

では、海で船幽霊に出会ってしまったらどうすれば良いのでしょうか。逃げることも断ることもできません。

そこで、日本の漁師たちは昔から船に「底をポンと抜いた柄杓(底抜け柄杓)」をわざと用意して乗っていました。幽霊に柄杓を要求されたら、この底のない柄杓を渡すのです。幽霊は海水を汲もうとしますが、底がないので水がすり抜けてしまい、いつまで経っても船を沈めることができないという、見事な一休さんのようなトンチ(危機管理術)で対抗したのです。

漁師の危機管理「底抜け柄杓」

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