お雪(円山応挙の幽霊画)

おゆき

お雪(円山応挙の幽霊画)

お雪(円山応挙の幽霊画)|日本の幽霊に「足がない」理由。応挙が描いた亡き妻の姿

基本情報

名前
お雪(円山応挙の幽霊画)
読み
おゆき
生きた時代
江戸時代の天才絵師・円山応挙(まるやまおうきょ)が描いたとされる幽霊画(返魂香之図など)
生前の立場
江戸時代の天才絵師・円山応挙(まるやまおうきょ)が描いたとされる幽霊画(返魂香之図など)
主な伝承地・ゆかりの地
恐怖よりも「美しさ」が勝る怪画 この「足のない幽霊画」のビジュアルは、江戸の町で「リアルで怖すぎる!
死・怨霊化の経緯
この画に描かれた足のない幽霊のモデルは、若くして亡くなった応挙の妻(または愛人)の「お雪」であるという伝説が有名
祟り・伝承
江戸時代の天才絵師・円山応挙(まるやまおうきょ)が描いたとされる幽霊画(返魂香之図など)
区分
伝承上の怪異

01

夢枕に立った亡き妻「お雪」

江戸時代中期、写生画の天才として名を馳せた円山応挙。伝説によれば、彼には「お雪」という非常に美しい妻(または愛人)がいましたが、若くして病気で亡くなってしまいます。

愛する人を失った悲しみで眠れぬ夜を過ごしていた応挙の枕元に、ある夜、死んだはずのお雪がフワリと姿を現しました。応挙は恐怖するどころか、絵師としての本能を爆発させ、すぐに筆をとってその姿を紙に写し取ったと言われています。

夢枕に立った亡き妻「お雪」

02

「足のない幽霊」という世紀の大発明

この時、応挙が描き留めた「お雪の幽霊」には、ある画期的な特徴がありました。それは「足が描かれていなかった」ことです。

それまでの日本の妖怪や幽霊の絵には、しっかりとした足が描かれているのが普通でした。しかし応挙は、夢(あるいは幻覚)の中で見た、暗闇にスーッと溶け込んでいくような不確かな下半身の様子を、あえて「足を描かずにフェードアウトさせる」という卓越した演出で表現したのです。

「足のない幽霊」という世紀の大発明

03

恐怖よりも「美しさ」が勝る怪画

この「足のない幽霊画」のビジュアルは、江戸の町で「リアルで怖すぎる!」と大評判になり、以降の浮世絵師や歌舞伎の演出にも取り入れられ、「日本の幽霊=足がない」という絶対的なスタンダードとして定着しました。

しかし、応挙が描いた幽霊の顔をよく見ると、人を呪い殺すような恐ろしい形相ではなく、どこか儚げで美しく、悲しみを帯びています。それは単なる怪談の道具ではなく、亡き妻への断ち切れぬ「愛情」が込められた、極めてパーソナルな鎮魂のポートレートだったからかもしれません。

恐怖よりも「美しさ」が勝る怪画

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