01
狂気を装う「必死のサバイバル」
有間皇子(ありまのみこ)は、父・孝徳天皇の死後、実力者である中大兄皇子から「いつか反乱を起こす危険人物」としてマークされていました。命の危険を感じた彼は、心を病んでしまったふり(狂気の演技)をして温泉に行き、政治には興味がないと必死にアピールして生き延びようとしました。


ありまのみこ
有間皇子
01
有間皇子(ありまのみこ)は、父・孝徳天皇の死後、実力者である中大兄皇子から「いつか反乱を起こす危険人物」としてマークされていました。命の危険を感じた彼は、心を病んでしまったふり(狂気の演技)をして温泉に行き、政治には興味がないと必死にアピールして生き延びようとしました。

02
しかし、中大兄皇子の側近である蘇我赤兄(そがのあかえ)が、有間皇子に近づいて「一緒に反乱を起こしましょう」とそそのかします。うっかり話に乗ってしまった瞬間、赤兄は裏切って彼を捕らえました。有間皇子は「すべては天と赤兄だけが知っている」と言い残し、わずか19歳で首を絞められる(絞首刑)という悲惨な最期を遂げました。

03
死の直前、護送される彼が詠んだ「家にあれば 笥に盛る飯を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る(家にいれば立派な器でご飯を食べるのに、今は椎の葉に乗せて食べている)」という歌が『万葉集』に残されています。この美しくも悲しい絶望の歌が、人々の同情を誘い、彼を「鎮めなければならない悲劇の魂(怨霊)」として、日本人の記憶に深く刻み込んだのです。

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