お岩

おいわ

お岩

お岩|毒を飲まされて顔が崩れ、凄惨な復讐を遂げる日本一有名な幽霊。しかし実際の彼女は、夫婦円満で家を立て直した立派な女性だった。

基本情報

名前
お岩
読み
おいわ
生きた時代
生年不詳〜没年不詳
生前の立場
江戸時代の怪談・伝承
主な伝承地・ゆかりの地
怪談『東海道四谷怪談』の主人公
死・怨霊化の経緯
四谷、田宮神社
祟り・伝承
田宮伊右衛門との物語、毒殺・怨霊伝承
区分
田宮伊右衛門、四世鶴屋南北

01

史実:お岩と伊右衛門は「超・おしどり夫婦」

お岩と夫の田宮伊右衛門は、江戸時代初期に実在した人物です。しかし、二人の実際の関係は怪談とは180度違いました。

当時の田宮家は貧しく、お岩は家計を支えるために商家へ奉公に出て必死に働きました。伊右衛門も妻を大切にする真面目な夫であり、夫婦の協力によって田宮家は見事に再興したと伝えられています。近所でも評判の仲睦まじい夫婦であり、お岩は「貞女の鑑(理想の妻)」として周囲から尊敬を集めていました。

史実:お岩と伊右衛門は「超・おしどり夫婦」

02

伝承の誕生:鶴屋南北の「悪意あるリミックス」

では、なぜそんな立派な女性が最恐の怨霊にされてしまったのでしょうか。犯人は、彼女の死から約200年も後に活躍した江戸の劇作家・四世鶴屋南北です。

南北は、当時江戸で実際に起きた別の猟奇的殺人事件(不倫のもつれや毒殺事件など)の噂話をつなぎ合わせ、そこに「昔、四谷にいた田宮家のお岩という女性」の名前だけを勝手に借用して、ホラー芝居『東海道四谷怪談』を書き上げました。この芝居が空前の大ヒットを記録したため、フィクションが「実話」として世間に定着してしまったのです。

伝承の誕生:鶴屋南北の「悪意あるリミックス」

03

現代に残る「お岩の祟り」のジンクス

完全なフィクションであるにもかかわらず、四谷怪談を上演する際、関係者が四谷の「於岩稲荷(お岩を祀る神社)」へお祓いに行かないと、怪我や事故などの「祟り」が起きるというジンクスが現代の演劇界や映像業界でも固く信じられています。

これは、芝居の初演時に役者が病気になった偶然が発端とされていますが、人々の「恐ろしい物語を現実のものとして畏れる心」が、作り話の幽霊に本物の怨霊としてのパワーを与えてしまった強烈な事例です。

現代に残る「お岩の祟り」のジンクス

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