01
完璧を恐れた「魔除けの逆柱」
日光東照宮の最高傑作といえば、500以上の精巧な彫刻が施された「陽明門」です。一日中見ていても飽きないことから「日暮し門」とも呼ばれます。
しかし、この完璧な美を誇る門には、意図的に仕掛けられた「欠陥」があります。門を支える12本の柱のうち、奥の1本だけ彫刻の模様が「逆さま」になっているのです。職人が間違えたのではありません。「魔除けの逆柱」と呼ばれる意図的な設計です。
当時の思想では、「建物は完成した瞬間から崩壊(劣化)が始まる」と信じられていました。完璧であることは終わりを意味するため、あえて1か所だけ未完成(逆さま)の状態に留めておくことで、「この建物はまだ完成していない。だから崩壊しない」という魔除けの呪い(まじない)をかけたのです。幕府の永遠の繁栄を願う、執念のトリックです。

Photo: No machine-readable author provided. Fg2 assumed (based on copyright claims). / Wikimedia Commons / Public domain


