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耳が遠いえべっさんを起こす「壁叩き」
京都ゑびす神社でお参りをする際、少し驚く光景を目にします。参拝者が正面の本殿で手を合わせた後、本殿の左側に回り込み、そこにある「木の板(戸)」をドンドンと手で叩いているのです。
これは決して神様への嫌がらせではありません。実は、えびす様は「お年寄りで耳が遠い」とされているのです。
正面から普通にお願い事をしただけでは、聞こえていないかもしれない。だから、神様が座っているすぐ横の壁に回り込み、板を叩いて「えべっさん、頼みまっせ! 聞こえてますか!」と念押しをするためのシステムなのです(現在、西宮神社などでは壁を叩くことは禁止されている場合が多いですが、京都では公式な作法として残っています)。完璧ではない神様の弱点を、人間が物理的なアクションで補うという、なんとも関西らしく親しみやすい信仰の形です。

Photo: Wikimedia Commons


