京都ゑびす神社

きょうとゑびすじんじゃ

京都ゑびす神社

Photo: Ignis / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

京都ゑびす神社|神様は耳が遠いから壁を叩け? 「福笹」発祥の地・京都ゑびす神社のユーモラスな参拝ルール

基本情報

名称
京都ゑびす神社
読み
きょうとゑびすじんじゃ
所在地
京都府京都市東山区大和大路通四条下ル小松町125
創建・鎮座
建仁2年(1202年)
御祭神
八代言代主大神(えびす様)
位置づけ
神道の神社
主な見どころ
本殿横の叩き板、二の鳥居の福箕、十日ゑびす
主な祭事・信仰
地域に伝わる祭事と信仰。栄西、えびす様

01

耳が遠いえべっさんを起こす「壁叩き」

京都ゑびす神社でお参りをする際、少し驚く光景を目にします。参拝者が正面の本殿で手を合わせた後、本殿の左側に回り込み、そこにある「木の板(戸)」をドンドンと手で叩いているのです。

これは決して神様への嫌がらせではありません。実は、えびす様は「お年寄りで耳が遠い」とされているのです。

正面から普通にお願い事をしただけでは、聞こえていないかもしれない。だから、神様が座っているすぐ横の壁に回り込み、板を叩いて「えべっさん、頼みまっせ! 聞こえてますか!」と念押しをするためのシステムなのです(現在、西宮神社などでは壁を叩くことは禁止されている場合が多いですが、京都では公式な作法として残っています)。完璧ではない神様の弱点を、人間が物理的なアクションで補うという、なんとも関西らしく親しみやすい信仰の形です。

耳が遠いえべっさんを起こす「壁叩き」
耳が遠いえべっさんを起こす「壁叩き」

Photo: Wikimedia Commons

02

全国の「福笹」はここから始まった

十日ゑびすといえば、縁起物の小判や鯛の飾りをたくさんぶら下げた「福笹(ふくざさ)」を持ち帰るのが定番です。実は、この笹のスタイルを日本で最初に始めたのが、京都ゑびす神社です。

京都ゑびす神社はもともと、隣にある禅寺「建仁寺」を建てた栄西(えいさい)禅師が、お寺の守護神として創建したものです。栄西は中国からお茶の種を持ち帰ったことでも有名ですが、その際、嵐の海を鎮めるために神に祈ったところ、海上に浮かんだ「笹」に助けられたという伝承があります。

また、竹(笹)は「節目」正しくまっすぐ伸び、冬でも青々と枯れず、しなやかで折れないことから、商売が長く続くことの象徴とされました。ここから「商売繁盛には笹」というアイディアが生まれ、後に大阪の今宮戎などにも伝わって関西全体の大ブームとなったのです。

全国の「福笹」はここから始まった
全国の「福笹」はここから始まった

Photo: Wikimedia Commons

03

鳥居の上の「熊手」にお金を投げる

境内に入る「二の鳥居」を見上げると、えびす様の顔の下に「福箕(ふくみ)」という竹を編んだカゴと熊手が飾られています。

参拝者はこの下からお賽銭を投げ投げ上げ、見事にカゴの中に入れば願いが叶う(商売繁盛する)とされています。上手く入らなくて何度も投げ直す人々の姿は、まるで玉入れのようで、境内には常に笑い声と小銭の落ちる音が響いています。

京都ゑびす神社は、厳しい修行や祟りを恐れる場所ではなく、神様と一緒にゲームを楽しみ、壁を叩いてコミュニケーションを取る、究極にポジティブな商人のパワースポットなのです。

鳥居の上の「熊手」にお金を投げる
鳥居の上の「熊手」にお金を投げる

Photo: Wikimedia Commons

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