01
ご主人様の代わりに旅に出る「こんぴら狗」
江戸時代、庶民にとって旅行は厳しく制限されていましたが、伊勢神宮や金刀比羅宮への参拝だけは特例として許されていました。しかし、江戸(東京)や東北から四国の香川県まで歩いて行くには、莫大な費用と体力が必要で、病気や高齢の者には不可能です。
そこで生まれたのが「代参(だいさん)」という、他人に代わりにお参りに行ってもらうシステムです。そして驚くべきことに、人間の代わりに「飼い犬」を代参に行かせる風習が存在しました。これが「こんぴら狗(いぬ)」です。
飼い主は、犬の首に「こんぴら参り」と書かれた木札と、初穂料(お賽銭)や道中のエサ代を入れた袋をくくりつけます。そして、街道を旅する人々に犬を託し、金刀比羅宮を目指させたのです。

Photo: Wikimedia Commons


