鹿島神宮

かしまじんぐう

鹿島神宮

Photo: Saigen Jiro / Wikimedia Commons / CC0

鹿島神宮|地下の巨大ナマズを石で押さえつける? 古代の軍事基地「鹿島神宮」の武神伝説

基本情報

名称
鹿島神宮
読み
かしまじんぐう
所在地
茨城県鹿嶋市宮中2306-1
創建・鎮座
神武天皇元年(伝承)
御祭神
武甕槌大神
位置づけ
神道の神社
主な見どころ
本殿、要石、御手洗池、鹿園
主な祭事・信仰
地域に伝わる祭事と信仰。武甕槌大神、徳川光圀

01

地震を防ぐロック「要石」と水戸黄門の挫折

鹿島神宮の森の奥深くに、「要石(かなめいし)」と呼ばれる不思議な石が地表にわずかに顔を出しています。直径わずか15センチほどの丸い石ですが、これこそが日本列島を地震から守っているとされる最強の呪術アイテムです。

古くから「地震は地下に住む大ナマズが暴れることで起きる」と信じられてきました。ご祭神である武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)は、そのナマズの頭に剣(石)を突き刺し、二度と暴れないように押さえつけているというのです(ちなみに千葉県の香取神宮にはナマズの尾を押さえる要石があります)。

江戸時代、好奇心旺盛だった水戸藩主・徳川光圀(水戸黄門)が「本当にナマズを押さえているのか」と疑問に思い、家来に要石の周囲を掘らせました。しかし、7日7晩掘り続けても石の底(根っこ)にたどり着くことはできず、ついには怪我人が続出したため恐れをなして埋め戻した、という伝承が残っています。

地震を防ぐロック「要石」と水戸黄門の挫折
地震を防ぐロック「要石」と水戸黄門の挫折

Photo: そらみみ / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

02

伊勢と並ぶ特別待遇。その正体は「最前線の軍事基地」

なぜ鹿島神宮は、伊勢神宮と並んで「神宮」という別格の扱いを受けていたのでしょうか。それは、鹿島が古代大和朝廷の「軍事上の最前線基地」だったからです。

武甕槌大神は、神話において出雲の国譲りを圧倒的な武力で迫った最強の「武神(剣の神)」です。古代の朝廷にとって、関東から東北地方に勢力を持つ蝦夷(えみし)の平定は国家の最重要課題でした。鹿島神宮は、太平洋側から北上する水軍の巨大な拠点であり、出征する兵士たちが武運を祈る最前線の要塞だったのです。

伊勢と並ぶ特別待遇。その正体は「最前線の軍事基地」
伊勢と並ぶ特別待遇。その正体は「最前線の軍事基地」

Photo: Kiku-zou / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

03

現代も武道家が聖地と仰ぐ「鹿島立ち」

現在でも、鹿島神宮の宝物館には「韴霊剣(ふつのみたまのつるぎ)」と呼ばれる全長2.7メートルを超える国宝の直刀が展示されており、その武神としての凄まじい威力を伝えています。

旅立ちや出陣のことを「鹿島立ち」と呼ぶ言葉がありますが、これも鹿島神宮の神官や武士たちが、武運長久を祈って旅に出たことに由来します。現在でも剣道や剣術など、日本の武道を志す者にとって鹿島神宮は絶対的な聖地です。深い森に刺さる要石には、自然の猛威と外敵から国を守り抜こうとした、古代人の研ぎ澄まされた緊張感が宿っています。

現代も武道家が聖地と仰ぐ「鹿島立ち」
現代も武道家が聖地と仰ぐ「鹿島立ち」

Photo: NikoBitre / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

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