桃太郎

ももたろう

桃太郎

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桃太郎|昔の桃太郎は「桃から生まれていない」? 私たちが知る国民的ストーリーが完成するまで

基本情報

名称
桃太郎
読み
ももたろう
分類
日本の昔話(果生・異常誕生譚など)
主な登場人物
桃太郎、お爺さん、お婆さん、犬、猿、雉、鬼
主な舞台
日本各地(岡山県、香川県、愛知県など全国に伝説が残る)
物語の基本形
桃から生まれた(または桃を食べて若返った老夫婦から生まれた)男児が、動物を従えて鬼ヶ島へ鬼退治に行く。
主な異説・地域差
桃を食べた老夫婦が若返って子どもを産む「回春型」、流れてくるものが桃以外(箱や赤い実など)のパターンなど。
この昔話のポイント
現在広く知られているストーリーは、明治期以降の学校教育・教科書が共通イメージ形成の一因となり、本来は地域によって多様なバリエーションが存在すること。

01

実はお婆さんが産んでいた? 衝撃の「回春型」桃太郎

私たちがよく知る「桃から赤ん坊が直接飛び出してくる」パターンの桃太郎は、一つの語り方として広く知られるようになった経緯があります。古くから全国各地に伝わっていた民話の中には、「回春型(かいしゅんがた)」と呼ばれる、現代からすると少し驚くようなストーリーが存在しました。

それは、お婆さんが川から拾ってきた桃を「お爺さんと一緒に食べてしまう」というものです。すると、桃の不思議な力で老夫婦はみるみる若返り、夜の生活を経て、お婆さんが自ら元気な男の子を「出産」するのです。

中国の思想などにおいて、桃は邪気を払い不老長寿をもたらす「仙果(神聖な果実)」とされていました。だからこそ、桃を食べた老夫婦が若返るという展開には当時の人々にとって説得力があったわけです。しかし、時代が下って江戸時代の草双紙(絵本)などで子ども向けに描かれるようになると、「お婆さんが身ごもる」という生々しい描写がマイルドになり、「桃から直接生まれる(果生型)」というわかりやすいファンタジーへと変化していったと考えられています。

実はお婆さんが産んでいた? 衝撃の「回春型」桃太郎
実はお婆さんが産んでいた? 衝撃の「回春型」桃太郎

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02

なぜ「犬・猿・雉」なのか? 犬・猿・雉をめぐる一つの解釈

成長した桃太郎は鬼退治へと旅立ちますが、なぜお供は「犬・猿・雉(きじ)」なのでしょうか。熊やイノシシの方が、戦力になりそうな気がしませんか?

これには、十二支や鬼門と結びつける説がありますが、これは一つの解釈です。昔の日本人は方角を十二支で表していました。鬼門(鬼が出入りする不吉な方角)は「丑寅(北東)」です。だから鬼は「牛(丑)の角」を生やし、「虎(寅)のパンツ」を穿いているのです。

この鬼門に対抗するには、反対の方角にある十二支の力が必要になります。丑寅の反対側(裏鬼門)に位置するのは「申(南南西)、酉(西)、戌(西北西)」。つまり、「猿(申)・雉(酉)・犬(戌)」の組み合わせは、単なる動物の羅列ではなく、最初から「鬼を倒すための最強の布陣」として選ばれたと考えられているのです。

ちなみに、彼らを家来にするためのアイテム「きびだんご」は、物語上の仲間づくりを印象づける小道具として描かれています。

なぜ「犬・猿・雉」なのか? 犬・猿・雉をめぐる一つの解釈
なぜ「犬・猿・雉」なのか? 犬・猿・雉をめぐる一つの解釈

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03

岡山だけじゃない? 教科書が作った「現代の桃太郎」

桃太郎といえば「岡山県」というイメージが強いですが、実は桃太郎にまつわる伝説は全国各地に存在します。

例えば、香川県には桃太郎のモデルとされる人物の伝承があり、愛知県には「桃太郎神社」が存在します。岡山県が特に有名なのは、古代にこの地を治めていた吉備津彦命(きびつひこのみこと)が「温羅(うら)」という鬼を退治したという神話が、桃太郎伝説と結びついて広くPRされた背景があります。桃太郎の発祥地をひとつに断定することは、専門家の間でも不可能なのです。

では、なぜ私たちが知っている桃太郎のストーリーは、まるで一つの「正解」があるかのように統一されているのでしょうか。

明治期以降の学校教育・教科書は、数あるバリエーションの一部を全国に広め、現代の共通イメージ形成の一因となりました。

誰もが知る昔話も、歴史のフィルターを通して見直してみると、想像以上に人間臭く、計算された物語の変遷が隠されています。次に桃太郎の話を聞くときは、ぜひ「若返ったお爺さんとお婆さん」の姿をこっそり想像してみてください。

岡山だけじゃない? 教科書が作った「現代の桃太郎」
岡山だけじゃない? 教科書が作った「現代の桃太郎」

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