かちかち山

かちかちやま

かちかち山

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かちかち山|背中を燃やし、泥の船で沈める。タヌキに対するウサギの「容赦なき拷問」の全貌

基本情報

名称
かちかち山
読み
かちかちやま
分類
動物報復譚
主な登場人物
お爺さん、お婆さん、タヌキ、ウサギ
主な舞台
不詳
物語の基本形
老婆を殺された翁に代わり、兎が狸を様々な計略で苦しめた末に殺して仇を討つ
主な異説・地域差
発端の「ばばあ汁」の描写がマイルドに変更されていることが多い
この昔話のポイント
火傷の背中に唐辛子を塗り込み、泥の船で水底へ沈める。お婆さんを殺されたお爺さんに代わり、ウサギがタヌキに行う「容赦なき拷問と処刑」の全貌。

01

始まりはトラウマ級の「ばばあ汁」

ウサギの苛烈な復讐の動機、それはタヌキによるお婆さんの惨殺です。

畑を荒らすタヌキを捕まえて吊るしておいたお爺さん。しかしタヌキは、留守番をしていたお婆さんを騙して縄を解かせると、お婆さんを杵で撲殺します。さらに恐ろしいことに、タヌキはお婆さんの肉を鍋で煮て「ばばあ汁(婆汁)」を作り、自らはお婆さんに化けて、帰ってきたお爺さんにその汁を食わせるのです。お爺さんが真実を知って絶望するこの凄惨なオープニング(いわゆる「婆あ汁」のモチーフ)こそが、その後に続くウサギの非情な復讐を正当化する絶対的な理由となっています。

始まりはトラウマ級の「ばばあ汁」
始まりはトラウマ級の「ばばあ汁」

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02

火傷に唐辛子!ウサギの執拗な拷問テクニック

お爺さんに代わって仇討ちを引き受けたウサギの行動は、完全に「拷問」のそれです。

まず、タヌキに柴を背負わせて山を歩かせ、後ろから火打石で火をつけます。「カチカチという音は何?」と聞くタヌキに「ここはかちかち山だから」と嘘をつき、大火傷を負わせます。

さらに数日後、火傷で苦しむタヌキの元に見舞いに行き、「よく効く火傷の薬」と称して、唐辛子と味噌を混ぜたものを背中のただれた皮膚に塗り込みます。激痛で転げ回るタヌキ。殺すのではなく、徹底的に苦痛を与えるウサギのサイコパス的な知略が光ります。

火傷に唐辛子!ウサギの執拗な拷問テクニック
火傷に唐辛子!ウサギの執拗な拷問テクニック

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03

泥の船で沈むタヌキ。復讐劇に隠された動物のヒエラルキー

拷問の総仕上げが「泥の船」です。ウサギは木の船に乗り、タヌキには泥で作った船に乗るように誘導して海(または川)へ出ます。泥の船は当然水を含んで溶け出し、タヌキは沈んでいきます。もがくタヌキの頭を、ウサギは容赦無く櫂で叩き割り(または沈め)、ついに仇討ちを完了します。

太宰治は小説『お伽草紙』の中で、このウサギを「十代の冷酷な美少女」、タヌキを「彼女に惚れている無骨な中年男」として描き、タヌキがウサギに騙され続ける滑稽さと哀愁を見事に表現しました。弱いウサギが強いタヌキを頭脳でいたぶるという構図は、単純な善悪を超えた残酷なカタルシスを読み手に与えます。

まとめ

「かちかち山」は、愛らしい動物たちの知恵比べなどではありません。身内を猟奇的に殺され、食べさせられた老人の怨念を背負った「処刑人(ウサギ)」による、計算し尽くされた拷問と殺戮のドキュメンタリーです。昔の人々は、この血生臭い物語を通して、悪を成した者が受けるべき報いの恐ろしさを子供たちに語り継いできたのでしょう。

泥の船で沈むタヌキ。復讐劇に隠された動物のヒエラルキー
泥の船で沈むタヌキ。復讐劇に隠された動物のヒエラルキー

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